【初心者向け】コスプレウィッグのカット・セットのやり方講座
コスプレをする上で、重要なアイテムのひとつがウィッグ。ウィッグのクオリティでコスプレ全体のクオリティが変わるといっても過言ではない。
そんな大切なウィッグだが、そもそも「コスプレウィッグってどう用意したらいいの?」「ウィッグのカットやセットってどうやってやるの?」という人も多いはず。
そんなコスプレ初心者必見! ウィッグのカット・セットに必要なアイテムと、マスターしたい基本テクニックを解説する。
ウィッグカットの必須アイテム
ウィッグをカットする時に最低限必要なのが、この5つのアイテム。
初心者は、まずこれらを揃えるところから始めよう。
ウィッグカットの必須アイテム
・ウィッグ
・ヘッドマネキン
・ハサミ
・すきバサミ
・コーム
ウィッグ
まず必要なのはウィッグ。コスプレしたいキャラクターをイメージして選ぼう。
その際、色やスタイル、毛質など、ウィッグメーカーによって違いがあるため、自分の理想に近いものを用意しよう。
ヘッドマネキン
ウィッグを自分でかぶってセットすることもできるが、自分でかぶると後ろ側が見えなかったり、左右がわかりづらかったり……
マネキンにかぶせた方が簡単で楽チンだ。
ヘッドマネキンは実際の人間の頭よりやや小さめに作られているため、そのまま使うと窮屈な髪型になってしまう。タオルなどで自分サイズに調整しよう。
ハサミ
ウィッグカットに欠かせないハサミ。ステンレス製ものがおすすめだ。
髪用のハサミは、少し高価ではあるが切れ味がよく、ロングヘアからショートヘアにカットする時など、長時間使っても手が疲れにくい。
文具用ハサミでも十分に使えるが、まっすぐカットするのは難しく、綺麗に仕上げるには時間もかかる。
少し高くても、髪用のハサミを購入しよう。
すきバサミ
髪を少しずつカットできるすきバサミも、持っておきたいアイテムだ。
ウィッグカットに慣れていない人は、普通のハサミよりすきバサミを使った方が、自然な毛先に仕上げることができる。両方持っておくと、セットの幅が広がるのでおすすめだ。
コーム
ウィッグをとかす用のブラシとは別に、毛先を整えたり、ブロッキングの際に使ったりと、あると便利なのがコーム(櫛)。
ドラッグストアや100円ショップなどで売っている、安価なプラスチック製のものでOKだ。
ウィッグセットの必須アイテム
ウィッグをセットする際に揃えておきたいアイテムは、この9つ。
難易度の高い髪型ではさらにアイテムが必要なこともあるが、基本はこれらでカバーできる。
ウィッグセットの必須アイテム
・ウィッグ
・ヘッドマネキン
・コーム
・ハードスプレー
・ワックス
・ヘアドライヤー
・ヘアアイロン
・リングゴム
・保冷剤
ハードスプレー
ウィッグをセットする際に必要なのが、ハードスプレー。セット力があれば、ウィッグ専用のスプレーでなくても大丈夫だ。
水気が少ないタイプの髪用ハードスプレーは、安価でキープ力が強く、ウィッグセット向き。
ワックス
ワックスも、ウィッグをセットする際に欠かせないアイテムだ。
ウィッグの毛をしっかりまとめるためには、マットタイプのワックスがおすすめ。水気の多いワックス(ゆるふわ向けなど)は、ウィッグの毛には柔らかすぎて使いにくい。
ヘアドライヤー
ウィッグにクセをつける時に使うのが、ヘアドライヤー。
ウィッグセットに使うドライヤーは、普通のものでOK。高価なものは温風があまり熱くならないので、ウィッグではかえって使いにくい。
2000円程度のコンパクトタイプがおすすめだ。
ヘアアイロン
普段のヘアセットでも使うヘアアイロンも、ウィッグセットの必須アイテム。
ストレート用のものは、毛のうねりやたたみグセ、簡単な外ハネ・内ハネも作れるのでおすすめだ。
スタジオなど電源の使える環境であれば、帰りの際の地毛直しにも使える。
リングゴム
アホ毛を立たせたり、三つ編みを作る時に使うのが、リングゴムだ。
100円ショップやドラッグストアで購入でき、一袋に大量に入っているのでお得。
布製の太いヘアゴムは、ウィッグの毛をまとめようとするとすべってしまうので、きっちりセットしたい場合には向いていない。
保冷剤
ウィッグセットで実は役立つのが、保冷剤。ドライヤーで熱した部分を保冷剤で急速に冷やすことで、形状記憶させることができる。
ケーキなどの保存用にもらえる保冷剤を、いくつか冷凍庫に保管しておこう。
カットの前の【下準備】
ウィッグとアイテムを用意して、いざカット開始!の前に、まずは下準備から始めよう。
綺麗なウィッグに仕上げるためには、この下準備が大切だ。少し手間だが忘れずに準備をしよう。
マネキンのサイズ調整
すっきりおさまるウィッグにするのための下準備として、マネキンを自分の頭のサイズに合わせよう。
ヘッドマネキンは実際の人間の頭より、やや小さめに作られている。そのため、マネキンそのままでカットすると、ウィッグが小さくなり窮屈な髪型になってしまう。
1. ヘッドマネキンを用意する
買ったばかりのヘッドマネキン。このままでは頭のサイズが小さいため、自分のサイズに合わせていこう。
2. 自分のサイズに合わせてタオルを巻く
自分のハチまわりをメジャーで測る。その数値に合わせて、タオルなどをヘッドマネキンに巻く
3. ウィッグネットとまち針で固定する
巻きつけたタオルをウィッグネットで固定する。マネキンとタオルをまち針で固定するとなおよい。
ブロッキング
切りたい箇所の「邪魔」にならないように、ウィッグをとめておこう。失敗を減らすことにもつながるので重要だ。
また、ブロックごとに作業することで効率アップ! 頭頂部、左右の側面、後頭部、襟足の5ブロックに分けておこう。
クリップで止める方法が一般的だが、リングゴムで留めても問題ない。
△ 大まかなブロッキングの位置取り。カットするときの邪魔にならなければOK。
基本の【カット方法】
ハサミを使った代表的な3つのカット方法と、すきバサミの使い方を解説。
これらをマスターすれば、ウィッグのシルエットもぐんとキレイになるはず。切るというより、“剃る”という動作をイメージしてカットしてみよう。
方法① まっすぐカット
単純に真横に「切る」。ハサミが斜めになっていると、毛先がガタガタになってしまうので注意!
パッツン前髪の時はそのままでOKだが、この後すきバサミなどをつかって毛先を整えると自然な見た目に。
方法② ハサミを下から上に動かす
ハサミの刃をウィッグにあて、下から上へ向かってそぐように動かす。
このようにカットすることで、毛先の先端を細くし、軽くする効果がある。少し難易度が高いので、いらないウィッグを使って練習してみよう。
方法③ ハサミを上から下へ動かす
ハサミの刃をウィッグに当て、ウィッグの根本から毛先に向かって動かす。
束感を残しながらも、毛量を抑えたい時におすすめだ。
すきバサミの使い方
すきバサミを使う時は、まっすぐではなく斜めにハサミを入れて切る。
まっすぐハサミを入れると、中途半端な段差ができてしまうので注意が必要だ。
△ すきバサミを斜めにして、上から下へ向かって切っていこう。
すきバサミを横にまっすぐ入れて切ると、隙間が空いてしまうので注意!
毛先を自然にカットしたい時は?
基本的にウィッグカットは、髪の毛と同じく、縦または斜めにハサミを入れていくと自然な仕上がりに。
特に前髪やもみあげは、慣れないうちはすきバサミを使うと失敗しにくい。
ボリュームを減らしたい時は?
ボリュームを減らしたい時は、すきバサミを使って、手間を惜しまずひたすらすいていく。
ウィッグの後頭部は、特に毛量が多い部分。モッサリするときは、多少時間がかかってもすきバサミで少しずつ毛をすいて、毛量を減らしていこう。
根元約5cmから毛先に向かってすきバサミをいれると、自然に仕上げることができる。
基本の【セット方法】
ウィッグをセットする際によく使われる、基本のテクニックを紹介。
この6つのテクニックをマスターすれば、難しいウィッグセットも基本は応用で製作できる。思い通りにセットできるよう練習しよう。
髪を内巻きにする
ヘアドライヤーやヘアアイロンの熱でクセをつけ、毛先を内巻きにしよう。ウィッグ全体ならヘアドライヤー、毛先ならヘアアイロンを使うのがおすすめだ。
毛先を熱したあと手で軽くキープし、そのまま冷めるのを待つ。
耐熱ウィッグは、髪の毛と同じようにヘアアイロンの熱で毛を柔らかくしてセットできる。うねりやたたみグセをまっすぐに直す際も、この方法を使ってみよう。
外ハネを作る
ハードスプレーは、瞬間的に熱乾燥することで形状キープできるのが特徴。
ハネさせたい毛束に手を添えてハードスプレーを吹き、そのままドライヤーの温風で乾かすと綺麗にキープできる。
ドライヤーで熱すると毛がかなり高温になるので、火傷しないように注意!
毛束を作る
イラストのような毛束を作るには、ワックスを使おう。
ワックスを少し指に取り、手のひらに伸ばして毛にもみこむと、自然な毛束感を出すことができる。水気の少ない、マットタイプのワックスを使うのがおすすめだ。
スプレーと違い、イベント更衣室でもスタイリングの仕上げに使える。
スタイリングをキープする
ヘアアイロンなどで作った毛先の外ハネ・内ハネは、全体に薄くハードスプレーを吹き、ドライヤーで瞬間乾燥させることでキープできる。
このテクニックは、応用次第でさまざまなセットが可能。ウィッグのクオリティも大幅アップ!
アホ毛を作る
アニメキャラクターにありがちな“アホ毛”。
頭頂部から生えたアホ毛の場合は、毛束の根元をリングゴムで結び、ハードスプレーとドライヤーで毛先をキープすれば、簡単に作ることができる。
生え際を立ち上げる
生え際を立ち上げたり、ウィッグの分け目を変えたいときは、手でグッと押さえながらドライヤーで熱し、毛が柔らかくなったら保冷剤を当てて一気に冷やすと、毛が形状記憶してくれる。
さらに、ハードスプレーをかけてドライヤーで乾かすことで、セットをキープすることができる。オールバックやポニーテールのスタイリングにも使えるテクニックだ。
ドライヤーで熱すると毛がかなり高温になるので、火傷しないように注意!
基本をマスターしてウィッグ製作を楽しもう
美容師でもない限り、初めてのウィッグカットで失敗するのは当たり前。まずはハサミで毛を切ることから慣れていこう。
今回ご紹介したテクニックは、どんなウィッグにも応用可能。高クオリティのウィッグを作るには、基本をマスターすることが肝心だ。
どうしてもうまくできない!という人は、ウィッグ製作を委託するという選択もある。自分に合った方法でコスプレを楽しもう。