コスプレイヤー326名に聞いたウィッグはこれで選ぶ

ウィッグの選ぶ基準は?
コスプレ専門のWigメーカーは日本国内だけでもで十数社。各社何百というカラー数と何十種類のレングスやスタイル数。これだけのアイテムからチョイスできるなんて令和のコスプレイヤーは幸せ者!と思いきや、みなさん言いたいことが多々あるようで…。イベント会場で取材途中「コスプレWig言いたい放題」を聞いてみました。
色味はもちろん毛量はそれぞれ!何を基準に選ぶ?
まずキャラの髪色を確認し、一番近しいと思うウィッグを決める。毛の量や質も重要視するが、加工のしやすさもポイントのひとつのようだ。毛量は多い少ないは、好みだけでなくスタイリングによっても変わってくる。そして意外に思ったより価格にはこだわっていない。サイズ感や被りやすさで、メーカーの好き嫌いなどの意見もあった。
よく利用するメーカーは?同じショップで全てを揃えたい
アシストとクラッセを一番と二番で指定したコスプレイヤーが9割を占めた。人気を二分するメーカーだが、アシストは圧倒的なカラー数、選ぶ基準を色味ファーストとするコスプレイヤーが集まってくる。Basic・Basic+・Premiumの3カテゴリーでおよそ885の形と色。BasicやBasic+は価格も安く、ウィッグパーツも多種用意されているため、「まずはアシストから」というコスプレイヤーが多いようだ。クラッセは加工のしやすさで人気があった。アシスト同様ウィッグパーツも豊富に揃っており、「私はクラッセ派」というコスプレイヤーも多い。スワローテールは「ツヤ感が好き」という声が多かった。また手間や送料の問題もあり、同じショップで全て揃えたいという声も。その決め手となるのがショップの品揃えにあるようだ。
コスプレ雑誌COSPLAYMODEウィッグ担当がオススメするのはアシスト
毛量が多すぎると加工に手間どります。アシストのBasicは適度の毛量で、初心者にも扱いやすい。Basic+は前髪が長め。男装であればほぼ加工なしでいけます。毛量を求めるときはPremiumがおすすめです。
コスプレイヤーのウィッグ事情
ネット通販と店舗、どちらを利用したい?
多くがネット通販で注文をしているのに、「利用したいか?」と聞くと「店舗」と答える人が8割以上を占めた。近隣に店舗がないだけで、本心は見て触って、アドバイスも受けて選びたいようだ。
自分でカット&スタイリングをしている?
4分の3程度の人がウィッグを自分でセットしている。「しない」の答えは「できない」とほぼイコール。知人に依頼もするが、受け渡しや費用の問題もあり、購入メーカーにお願いできるパターンが一番良いとの声も。
ヘッドトルソーはどんなの使ってる?
等身サイズの肌色トルソーは3000円ほどするため、まずは百均屋でも1000円程度で買える、発泡スチロールトルソーを使用している。ただ軽すぎたり頭サイズも小さいので、買い替えたいという人が多い。
自宅ではどうやって保管している?
購入時の細長い透明袋に保管用のネットに入れてから「戻す」というのが主流。積み上げるとわからなくなるので、クリアケースに入れたり、衣装と一緒に保管する人も。トルソー保管も少なからずいた。
数字で見るコスプレウィッグ
多くの人が「よくわからない」「覚えていない」と言いながらも、結構細かく答えてくれた。新しいWigは平均月1個で購入。一方お役目御免のWigはコスプレ歴に比例するようで、十年選手だと120個となる。ネット通販でも実店舗でも、Wig選びに要する時間は楽しいようで、両方ともあまり変わらないのがおもしろい。カット&スタイリングは2時間が集中の限界だとか。
平成はじめてコスプレWigこぼれ話
▶非耐熱ウィッグが多くセットが大変。よくチリチリにしてボツにしてた思い出が
▶スプレーはヴィジュアル系バンドマンがよく使うスプレーと、一番硬いハードワックスでセット。ベタベタしているので保存ができず、一回一回シャンプーをしてセットし直し
▶アイロン耐熱対応じゃないことを知らず、ピンクウィッグが白に変わりして使い物にならなかった
▶ロングウィッグは何回も使い回し。毎度洗って乾かしてという作業で半日潰れた
▶ウィッグなのに保存でオリジワがつき、次にやる時までにクシャクシャ
▶色が少なくてコピックで塗ってた。ダイロン染めもした
▶ドンキやAmazonなどで安いウィッグを加工していたが、ものすごく加工しづらかった
▶耐熱ウィッグが1万円以上していたので、非耐熱を常にドライヤーの冷風でセットしてました
▶ダイエースプレーしか勝たん。今でも復活してほしいダイエースプレー
▶昔は毛量少なくてスカスカの抜け毛が半端ない
▶浅草橋のゼファーに学校帰りに寄ってた
▶耐熱性のウィッグでもアイロンして縮れてしまったこと多数
▶ハチ上やつむじ周り、前髪はめちゃくちゃ毛量多いのに、襟足や後頭部はスカスカ。で結んだら中身のウィッグネットが見えていた
こんなウィッグが欲しい!
千円均一祭り! レンタルしてほしい! 中古を買い取って! 失敗したらもうひとつ! どんな田舎でも翌日配達! ピザみたいに2つめ無料! 全県に店舗あり! 工場見学!&お土産あり! お湯で3分カール出来上がり! 一瞬で染まる! 絶対にからまない! リアルな生え際を再現! バンスなしのツインテール! 「自分の頭サイズ」ヘッドトルソー! 肌色合わせできるサンプル! 人間がかぶった見本ほしい!
ウィッグメーカー「アシスト」の商品開発担当者ふじまあゆみさんに聞いてみた

アシスト商品開発部ふじまあゆみさん
コスプレ歴18年。アシスト入社15年目。現場の立場から「コスプレをさらに楽しくする」アイテムを提案、商品開発に結びつけている。
コスプレモード(以下、COS):アシストは今年で開業16年なのですね。ウィッグ業界って大きく変わりましたか?
ふじまあゆみ(以下、ふじま):私もいにしえのコスプレイヤーなんで実感してるのですが、Wigの値段って十数年前に比べると半分以下になりましたよね。5〜6千円があたり前だったのが、今は2〜3千円くらいです。
COS:新しいWigを開発して販売するまで、どれくらいの期間がかかりますか?
ふじま:新しいスタイルの髪型を生産して、ネットや店頭に並べるまで最速で3ヶ月です。
COS:コスプレイヤーからWigのワガママをぶつけてもらいました。ハチャメチャな願望もあるのですが、いかがですか?
ふじま:アシストのWigは税抜き990円からあります。一部地域を除いて翌日配送ですし、二個目無料というわけにはいきませんが、いつでも二個目半額です。生え際パーツもピンポイント用で多色用意しています。ツインテールやポニーテールもバンスなしの一体型があります。頭の大きさがリアルなトルソーもあるんですよ。
COS:アシストは送料無料対策として同梱するとき、サポートアイテムが揃っているのが良いという意見がありました。いま人気のサポートアイテムって何ですか?
ふじま:Wigの下に巻く「ウィッグホールダー」や男装をさらにかっこよくする「まきぺた」が人気ですね。地毛が長い方用のWigネット「ロングヘアタイプ」や熱中症対策にも効果的な「ひんやりウィッグネット」も、猛暑のこの夏、たくさんご注文いただいています。
COS:キャラWigやふかし済みは発売しないのですか?
ふじま:キャラの公式Wigは、初音ミクを始めアニメ系などいくつか製作販売しています。ふかし済みは「加工特化ウィッグ」がそれに当たります。
COS:最後に、800色を超えるスタイルとカラー。ネーミングってどうしているのですか?
ふじま:以前はご多分に漏れず、英語やフランス語のかっこいい言葉を使ってましたが、最近ではそれらの言葉も尽きたのでノリでつけてます。こっそりと流行りの作品タイトルのイメージを混ぜこむのはいいのですが、ネタがつきるとスタッフの名字を英訳してつけたりしています(笑)。
COS:貴重なお話、ありがとうございました!
コスプレイヤーに聞く!私はコレでウィッグを選ぶ
・店舗販売しか勝たん!推し店員に画像見せておまかせショッピング
・足りないものがないよう一挙にネットで注文田舎なので納期が重要
・まず色をアシストで探すもし在庫がなかったらスワロのファーシルへ
・ユザワヤに行くのでついでに富士達安いし加工もしやすい
・ACOSのキャラWig便利ちょっと高めだけどスタイル済みだしお得
・ロイドみたいなのはAmazonとかドンキのファッションWigで
・サロメWigとか普通に三日間ぶっ通しで必要ご飯&睡眠はとるけど
・お別れするWigって燃えないゴミなん? 萌えてたんですけど
・アイテムが多いアシストは送料無料額にしやすいテーピングが自宅山盛り
・コスプレのWigって10年前に比べると半額以下になったよね
・電車でWig置き忘れた!スタイル済みだから必死駅員に説明が大変だった
オンライン記事【コスプレWigコレで選ぶ】あり
まとめ
ここ20年ほどでコスプレWigは品質向上し使いやすく、価格は驚くほど安くなった。それでもコスプレWigについてユーザーから様々な要望を募り、それをメーカーにぶつけてみたが、やはりと言うべきかすでにアイテムや価格面でもサービスが存在していた。何事も決めつけずに、購入前にいろいろな情報を仕入れておくことが肝心だ。