【桜撮影】満開の桜を背景にコスプレ写真を撮ろう!“映える”テクニックを紹介
満開の桜を背景に、“映える”コスプレ写真を撮ろう!
ストロボの使い方や画角のコツなど、桜撮影を成功させるためのポイントを紹介する。
モデル:猫宮まる。(@mar_umaru29)
写真:松本和久
編集:スモールパッケージ
桜撮影で綺麗な写真を撮るコツ
桜を背景にしての撮影は、撮影時期・天気・場所が成功の鍵を握っている。
なかでもどうにもならないのが満開のタイミング。最近では「600度の法則」(2月1日から毎日の最高気温を累積していき、累積が600度を超えたときに開花する)という開花予測もあるので、頭に入れて準備を進めるのもいいだろう。
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△ うまく満開のタイミングで撮影できれば、こんな写真を撮ることができる。
さらに桜との撮影で気をつけたいのが、写真の明るさ(露出)の決め方。
人気の高い定番の桜「ソメイヨシノ」は白色なので、光の反射率が高い。桜にピントを合わせて撮影すると、どうしても暗く写ってしまうことがある。
その際のポイントとして、露出補正をプラスにすることを意識しよう。カメラのメーカーによって呼び名は変わるが「ハイライト警告表示」「白飛び確認」で、露出オーバーで白飛びした部分が表示され、どこが白飛びしているのかがわかるようになっている。
この機能を使って白飛びしないようにしつつ明るくすれば、桜の美しさを切り取ることができるはず。
枝先の花の部分を背景にするのがポイント
満開の時期になると、桜の名所と呼ばれる場所はどこも人がいっぱい。都合よく背景に桜だけをおさめることは簡単ではない。
そこで意識したいのが、桜の隙間を無くすこと。幹部分は花がなく隙間になりやすい。できるだけ枝先の花の部分が背景にくるようにすれば、人混みも画角から外すことができるはずだ。
△ 高低差を使って、枝先の花の部分が背景にくるよう意識しよう。実際はともかく、写真の中が桜でいっぱいになればOK!
場所や画角を優先して、被写体が暗くなるときはストロボで明るくしてあげよう。
△ 階段の下から少しあおって撮影すると、人混みを隠して撮ることができる。
馴染ませたいなら自然光、際立たせたいならストロボ
自然光で撮影する場合は、人物を適正露出にし、桜が白飛びしないように気をつけよう。
ストロボを使う場合は、背景を適正露出より少し暗くして、ストロボを人物に当てて撮影しよう。
2枚の写真を見比べると、自然光では背景と馴染みがよく、ストロボを使った場合は被写体が際立つのが分かるだろう。効果を意識してストロボを活用しよう。
△ 自然光で撮影
△ ストロボで撮影
ストロボを使って撮影する場合でも、光の当て方によって雰囲気を変えることができる。
下のふたつの写真のように、向かって右から当てればシャープな印象に、向かって左から当てれば柔らかい印象になる。
△ 向かって右側からストロボを当てて撮影。顔に陰影が出て、シャープなイメージに。
△ 向かって左側からストロボを当てて撮影。被写体の正面の光となるので、顔の影が消えて肌感もキレイに。
背景に桜が足りないときは「前ボケ」を使おう
場所やタイミングによっては、思ったよりも桜が咲いていないこともある。
そんなときに便利なのが“前ボケ”。桜の枝を被写体とカメラの間にして撮れば、桜感はぐっとアップする。
△ 被写体の手前に桜を持ってくれば、少ない量でもボリュームアップして見える。
△ 桜と相性がいい菜の花でも可愛く仕上がる。
△ 手前の桜を完全にボカして撮れば、まるで桜に包まれたような写真に。
夜桜撮影にも挑戦してみよう!
桜が満開の時期になると、暗くなってから桜をライトアップする場所も少なくない。昼とはまた違った桜の美しさが撮れるので、ぜひ夜も意識したスケジュールを組みたい。
下の写真は4月上旬(大阪府)の日没付近の明るさ。この日の日没は18時15分予定。17時後半から18時過ぎにかけて一気に暗くなっていき、19時過ぎにはあたりは夜の暗さになる。
全国で桜の満開時期は変わってくるので、その時期の日没時間を把握し、効率よい撮影スケジュールを組むといいだろう。
△ 17:40頃。自然光だけでも撮れなくはないが、グレーがかってしまう。
△ 18:20頃。自然光だけだと、感度8000でこのくらいがやっとの暗さに。
「ストロボ2灯」で被写体も桜も明るく撮影
日没時間になると、ストロボ無しの撮影は難しくなってくる。
下の3枚の写真を比較してほしい。ストロボ無しは感度10000で撮影してこのくらい。
1灯で撮ると被写体はキレイに写るがどうしても背景が暗くなる。2灯あれば背景の桜を浮かび上がらせることができるのだ。
△ ストロボ無しで撮影。日没時間はギリギリ写るくらいの明るさ。
△ ストロボ1灯で撮影。1灯だけだと背景が真っ暗になってしまう。
△ ストロボ2灯で撮影。1灯を被写体に、もう1灯を後ろの桜に当てた。
ふたつのストロボで挟む「挟みストロボ」がおすすめ
上で紹介した通り、ふたつのストロボがあると被写体と背景の桜を両方明るくできる。
ここではストロボの向きを調整して、さらにドラマチックな1枚に仕上げていきたい。
被写体に当てるストロボは、顔の陰影をはっきりさせたいなら正面ではなく斜めから。
背後のストロボは狙った桜を照らすのはもちろんのこと、被写体の逆光になるような位置と向きに配置しよう。ウィッグの輪郭が輝いて写真がグレードアップ!
カラーフィルターを活用して雰囲気をチェンジ
夜の撮影でアクセントを加えたいなら、ストロボ+カラーフィルターの組み合わせがおすすめだ。
とくに夜の暗闇の中で、白い桜はフィルターの色に染まりやすく効果が出やすい。
桜のイメージに合わせたピンクや赤もハマるし、青く染めて厳かな雰囲気の1枚に仕上げるもいい。
△ 赤いカラーフィルターを使うとドラマチックな1枚に。
作品やキャラのイメージに合わせた色がはっきりしているなら、満開の夜桜は背景を美しく飾ってくれるスクリーンのように使うこともできるだろう。
カラーフィルターを使用する際は、広範囲に色の影響が出るため、撮影許可が必要かどうかなど、屋外撮影の注意点をよく確認してほしい。
△ フィルターなしだとこんな感じ。
写真は、被写体と背景の桜にストロボを当てた2灯撮影。桜を照らすストロボにカラーフィルターをプラスすると、桜だけを色付けすることができる。
桜そのままの美しさもいいが、作品によってはより色付けしてみるのも面白いだろう。
△ 挟みストロボ+青のカラーフィルターで撮影すると、上の写真のような仕上がりに。
こちらはストロボ1灯だけで撮影した、背景が真っ暗の写真。
△ ストロボ1灯だけだと、背景が真っ暗……
ここにもう1灯ストロボをプラスし、ピンクのカラーフィルターで撮影すると、下のような写真を撮影することができる。
△ 1灯ストロボをプラスして、ピンクのカラーフィルターで撮影した写真。
もちろん、フィルター無しでもストロボ2灯で綺麗な夜桜写真を撮ることができる。
下の写真は、ホワイトバランスを5000K〜4000Kに変更。人物のストロボは6000Kの色フィルターを付けて、適正のホワイトバランスで撮影している。
△ カラーフィルターなしでも、ストロボ2灯+ホワイトバランスの調整でこんな写真が撮れる。