【初心者向け】白ホリを使いこなす! 簡単ライティング6パターンを解説

簡単そうで意外と難しい、白ホリゾント(白ホリ)での人物撮影。

ストロボ2灯とソフトボックス1個でできる、初心者向けのライティング6パターンを解説する。

文・写真:涼子(@ryoko_camera
モデル:ひよ子(@torihiyoco

目次

初心者向けの白ホリライティング

簡単そうだけど、実際撮影してみるとバリエーションが付けにくい白ホリゾント(白ホリ)。

ストロボを被写体に当てる位置や距離を工夫することで、ストロボの数やアクセサリーが少なくてもいろいろなバリエーションで撮影が可能できる。

今回は、ストロボ2灯と小さめなソフトボックスが1個あればできる、初心者向けライティングを6パターン紹介しよう。

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カメラ設定

カメラの設定値はお好みで大丈夫。

今回は白ホリの環境光が一切写真には写らない、真っ暗の設定にしている。

サンプルとして、環境光の蛍光灯のみで撮影したのが下の写真。

全体的に、背景の白が少しくすんでいるのがわかるだろう。

このくすみが、肌色に影響して顔色が悪く見えてしまうので注意が必要だ。

白ホリに使用される蛍光灯の品質はスタジオにより様々だが、高品質の蛍光灯を使用しているスタジオでもこのようにくすんでしまうので、できるだけ環境光を入れないように撮影するのが望ましい。

ソフトボックスとアンブレラの違い

ストロボに取り付けて使う「ソフトボックス」と「アンブレラ」。

このふたつは形が異なるだけでなく、その効果にも大きな違いが。

カメラマンの好みによるが、ざっくりと分けると以下のような違いがある。

■ソフトボックス

指向性のある面光源で、光を当てたいところだけに絞ることができる。

グリッドを装着することが可能なため、周辺光量を落としたりして被写体を引き立てることも可能。

■アンブレラ

全体的に拡散する光を作る。背景なども明るく、コントラストをあまり付けたくない均一な光を作る際に使用する。

今回の撮影では、周囲に余分な光を回したくない場合にソフトボックスを使用。

撮りたいイメージに合わせて使い分けよう!

 

 

①影をくっきりさせるライティング

背景がなにもないからこそ“影”が引き立つのが白ホリの魅力。

被写体のシルエットに特徴がある場合は、このように背景にはっきりとした影を付けてみよう。

ストロボの配置はこんな感じ。

何も付けていないストロボを、少し高めの位置から当てている。

影をくっきりさせるポイントは
・ストロボは被写体からできるだけ離す
・被写体は背景にできるだけ近づく
のふたつのみ。

全体的に明るく撮影すると真夏の日差しのような雰囲気となり、コントラストが強いとスポットライトのような印象に。

スポットライトのような雰囲気が良ければ、ストロボにグリッドを付けるなどして周辺にまわる光を抑えるとさらに◎。

 

 

②柔らかい印象のライティング

強い影はなく、全体的に柔らかい印象になるライティング。

かといってのっぺりしているわけではなく、被写体にも陰影がついて立体感はきちんと出ている。

白ホリだけでなく、いろいろな場所で応用できそうなライティングだ。

ストロボの配置はこんな感じ。

ひとつめのライティングと同じく、何も付けていないストロボ1灯のみで撮影。

右側の壁に反射させた光を被写体に当てることで、被写体右から大きなソフトボックスで光を当てているようなライティングになる。

ストロボ1灯しか持ってない!何もアクセサリーがない!という状況でも、このように当てる位置でバリエーションを出すことができるのだ。

 

③背景を黒くするライティング

白ホリだから背景は白くなきゃいけない!なんてことはない。

あえて白ホリで撮る黒背景も、ちょっとしたコツで簡単に撮影可能だ。

このライティングは、かっこいいイメージで撮りたい時に使えるので覚えておくと便利!

ストロボの配置はこんな感じ。

グリッドを付けたソフトボックスで、斜めから光を当てる。

ポイントは
・カメラ設定はストロボを付けない場合は真っ暗の状態
・被写体は背景からできるだけ離れる
・画角の中に、ソフトボックスの光が当たっている背景部分をできるだけ入れない
・暗く落ちすぎてしまう左側にハイライトを入れる
の3点。

ストロボを付けていないと真っ暗になるカメラ設定にしているので、できるだけ背景に光がまわらないように気を配れば背景が黒くなるというわけだ。

 

 

④ハイライトを入れたライティング

午前中の屋外のような、爽やかな光を感じるライティング。

陰影はハッキリしているがコントラストが強すぎないので「ストロボを当てました感」があまりないこともポイントだ。

ストロボの配置はこんな感じ。画像は分かりやすいように少し暗めに撮影している。

手前の何も付けていないストロボを、カメラマン側の少し左上に向けて置き、光を天井にバウンスさせる。全体光量はこの手前のストロボで調整。

そして被写体の斜め後ろから、ソフトボックスをつけたストロボでハイライトを入れる。

手前のストロボを人物への直射ではなくバウンスにするのは、全体光量を上げつつも人物には影を作らないようにするため。

バランスは好みで大丈夫だが、全体的に明るめに設定すると◎。

 

 

⑤肌が綺麗に写るライティング

基本をおさえれば簡単にできるビューティーライティング。

肌がとても綺麗に写るので、女性モデルや女性キャラクターの撮影におすすめだ。

コスプレ撮影の場合、メイクやカラコンの色が綺麗に写るのも嬉しいポイント。

基本的にはバストアップ〜ヘッドショット寄りの画角になる。

ストロボの配置はこんな感じ。

正面上からソフトボックスで顔を照らす。

顔より下の位置から床にストロボを当てて、跳ね返った光で下に落ちる影を消す。

上からの光より下からの光のほうが少しだけ弱くなるようにすると、自然な陰影がありつつも美しい肌色に。

床が白くない場所では、反射した光が顎下に当たる位置にレフ板などを置くと、同じように撮影できるので試してみて!

 

 

⑥ふんわりとしたライティング

白い光に包まれた、ふんわりかわいらしいライティング。

女性キャラクターはもちろんのこと、優しげな男性キャラクターにもおすすめ。

特に、色が明るめの衣装や白っぽい衣装のキャラクターが綺麗に撮れる。

ストロボの配置はこんな感じ。

ストロボの光が直接顔に当たらない位置から、被写体の背景に光を当てる。

反射した光が上下左右にバウンスして、返ってきた光で顔を照らすイメージで。

背景はわざと白く飛ばしても構わないが、白い衣装を着ている場合は飛ばないように注意!

 

 

基本のライティングで白ホリを使いこなそう

“何もない”からこそ、無限の可能性を秘めている白ホリ。

とはいえ、ノープランではいい写真は撮れない。

どんなイメージで撮りたいのか、あらかじめよく考えておくようにしよう。

今回紹介したのは、ストロボ2灯とソフトボックス1個でできる初心者向けのライティング。

冒頭で紹介したアンブレラなど、他の撮影機材があればもっとバリエーション豊かな写真を撮ることができる。

基本的なライティングに慣れたら、自分なりの白ホリライティングを探してみて!

 

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