【真似するだけで再現できる撮影テク】白ホリで自由自在に背景グラデーションを作る!

目次

白ホリで自由自在に背景グラデーションを作ろう


両側の同じくらいの場所から均等に光を当てると、のっぺりとして陰影のない写真になってしまいます。アクリルスタンドのような全体が均等に見えるための撮影であれば正解なのですが、今回はキャラクターイメージに合ったかっこよさも強調したいので、NGカットとしました。

【ホワイト】


【カメラ設定】F:4 SS:1/200 ISO:200 WB:5000(以下同)
背景近くに立ってもらい、人物に大きめのアンブレラでストロボを当てる。写真の右下が人物の影で少し暗くなるため、それを起こしつつ人物の陰影も明るく。右側は人物より少し後ろから背景に向けてアンブレラで柔らかい光を当てる。左右差を見てバランス良い背景の明るさになるように注意。


【ライトグレー】


ストロボを大きめのソフトボックスに変更(90cmオクタ型)グリッドをつけている。背景にも程よく光が回る斜め前の角度から当てる。
・ストロボを被写体に近づけ、光量をその分下げる→背景が暗くなる
・ストロボを被写体から遠ざけ、光量をその分上げる→背景が明るくなる
この基本で背景濃度を調節。


【ミディアムグレー】


ライトグレーと同じ機材構成だが、少しだけ角度を横から当てる。背景に光が届きにくくなり、その分背景が暗くなり人物の陰影も濃くなる。好みの濃度にするのは、ライトグレーでの解説記載のコツを使い微調整していこう。


【ダークグレー】


ソフトボックスを小さめなものに変更(60cmオクタ型)グリッドをつけている。
できるだけ人物に近い位置から斜めに当てて背景へ広がる光を抑える。
小さいソフトボックスを使用すると人物の影が背景に出やすくなるので、影の位置を考慮した上で構図を取るようにする。


【ブラック】


ソフトボックスを細長いストリップボックスに変更。周辺に光が回らないようにする。人物の斜め後ろからハイライトを入れるように当てる。必然的に背景に光が回らないため真っ暗になる。被写体の右側が黒く落ちすぎてしまう場合は、右後ろからもハイライトを入れても良い。顔をしっかり照らしたい場合は、背景に全く光が届かないくらいまで背景と距離を取る。

男装に合う陰影強めの2パターン


かなり高めの位置からストロボを直射する。調整位置としては影の伸び方を見ながら好みの伸び方になるように。スポットライトを照らしているような雰囲気で。顔には光が殆ど入らないので、被写体のポージングとしてはバックショットか、ストロボ側を見上げるようにするか、もしくは下を向いてあえて顔を暗くするなど、きちんと向きを決めて撮影するのがおすすめ。【カメラ設定】F4 SS1/200 ISO200 WB5000



ダークグレーの撮影に、ハイライトをプラスしたパターン。1灯だけだと、シャドウ側が黒く溶け込んでしまうため、照射角を狭めたストロボを被写体の左後頭部から肩のあたりをめがけて直射する。ウィッグや衣装の質感や立体感が出た写真になる。【カメラ設定】F1.4 SS1/640 ISO64 WB5000

【まとめ】
白ホリで撮影するときに「なんとなく」で、背景をグレーにしたりしているケースも多いと思いますが、その濃度を自分で意図的に作ることで、キャラクターに合わせた撮影をすることができます。今回の撮影は白ホリの電気を消して行いました。もし消せない白ホリの場合は、できるだけ環境光が影響しないカメラ設定にしてください。
また、とても大事なことなのですが今回モデルにお願いしたポイントは、「背景が白っぽい時は柔らかめな表情で、暗めなときは強めの表情で」という内容でした。こういった表情などもコスプレイヤーとカメラマンが共通認識をもって一体となり撮影することで、更に統一感がある写真にすることができます。
背景グラデーションの微調整は慣れると割と簡単ですので、ぜひやってみてください。

【カメラ設定】F2.8 SS1/400
ISO100 WB5000

photo&text 涼子  
スタジオでのカメラマンサービスや宣材撮影、ストロボライティング講座などを行っている。Twitterでのライティングレシピツイートが人気。
model びぃと 

ご協力いただいた撮影スタジオ
【A STUDIO】
大きな白ホリと白部屋、水撮影もできる黒ホリ、広いメイクルーム兼スタジオブースなど、綺麗でとても使いやすいスタジオ。ブースごとの貸し切り予約で、6時間パックで23000円~という広い白黒ホリとしては信じられない超リーズナブルな価格設定。複数人での併せなどに大人気で筆者も常連のスタジオ。予約時に確認すれば駐車場も無料で使用できる。ブースの一角では机やテーブルがあり、飲食も可能なため、コスプレオフ会にも最適。問い合わせが気軽にLINEで行えるのもありがたい。


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