ソフトボックスを使った初心者向け簡単ライティング! カメラ設定と配置図付きで解説

コスプレ撮影のカメラマンを始めたい方必見!
初心者におすすめな機材3点とそれらを使った簡単ライティング術を、カメラ設定と配置図付きで解説する。
写真:涼子(@ryoko_camera)
モデル:一色華月( @cos11p )
イラスト:お米粒
COSPLAYMODE 2024年3月号掲載記事
初心者おすすめ機材を使った簡単ライティング
コスプレカメラマンをやってみたいけど、どんな機材を用意すればいいのかわからない……
カメラマンデビューしたけど、スタジオでのライティングがわからない……
そんな方のために!
これさえ揃えればOK!な、初心者おすすめの撮影機材&アイテム3点セットをご紹介。
さらに、それらを使ったスタジオでの簡単ライティング術もあわせて解説する。

コスプレ撮影初心者におすすめな3つのアイテム
コスプレ撮影のカメラマンを始めたいけど、何を揃えたらいいのか分からない!という方も多いはず。
スタジオでの撮影なら、編集部がおすすめするのはこちらの撮影機材3点セット!
・ストロボ2個とストロボの送信機
・グリッドのつけられるソフトボックス
・グリッド
それぞれを解説していこう。
ストロボ
「ストロボはひとつじゃダメなの?」と思う方もいるだろう。
もちろんダメではないのだが、ストロボひとつでは被写体の顔を照らすことしかできない。
コスプレ撮影は被写体を美しく撮るだけでなく、背景や構図なども含めた雰囲気作りが大事。
そのため、背景や影の部分の色の演出、または影を作らないように明るくするなど、様々な用途で2灯は必要になるケースが多い。
できれば最初からストロボを2個揃えておくのがオススメだ。
またストロボ用のスタンドは、大抵のスタジオで貸し出してくれる。イベントでも撮影したい場合は持っておくとよいだろう。
ソフトボックス
最初は手軽なアンブレラを購入する方も多いのだが、オススメはグリッドがつけられるソフトボックス!
アンブレラは光を拡散するアイテムなので、光が広がる明るい写真を撮りたいときに使うもの。
対してソフトボックスは、アンブレラ同様光を拡散することもできるが、グリッドをつければ光を絞ることもできるアイテム。
2通りの使い方ができるので、雰囲気作りが大事なコスプレ撮影ではソフトボックスがオススメだ。
編集部おすすめのソフトボックス
[SMDV] FlipBeauty24 ビューティーディッシュ Softbox (60cm)
可変式ステップリングやマグネット式フィルターでおなじみのH&Y Filters Japanが取り扱っている「[SMDV] FlipBeauty24 ビューティーディッシュ Softbox (60cm)」。
中に反射鏡が入っているビューティーディッシュタイプなので、芯が出にくく、柔らかく美しい光を作ることができる。
下の写真のように接続部の突起を左にスライドすると、一瞬でソフトボックスを畳むことができるのもポイント。
調度品の多いシェアスタジオや混雑するコスプレイベント会場では、移動する際にソフトボックスを畳むのがマナー。
簡単に畳めるこのソフトボックスは、コスプレ撮影にオススメなアイテム!
▼Amazonでの購入はこちら
https://amzn.to/44pobhv
▼公式サイトの製品ページはこちら
https://hy-filter-japan.com/items/643af5da4d1d1d006bbffdfa?srsltid=AfmBOoriGWY0N7S60MfnT3yDGREPFHYMLnxvyYMbaXtEsjLqQjs5a9Fq
グリッド
グリッドとは、ソフトボックスにつける黒い網状のアイテム。
ソフトボックスに付属する場合もあれば別売りの場合もあるので、よく確認して付属しなければ別途購入するようにしよう。
上がグリッドなしの写真、下がグリッドありの写真。
グリッドをつけると背景に光が回らない分、反射する光が少なく、人物への陰影も濃くなるため、かっこいい雰囲気に仕上がる。
男性キャラクターやかっこいい女性キャラクターを撮影する方には必須と言ってもいいアイテムだ。
初心者向けのスタジオライティング術
基本のライティングで撮ってみよう
F値:2.8
シャッタースピード:1/200
ISO感度:200
ホワイトバランス:5000
顔に当てるストロボは、少し上の方から当てるようにすると環境光の位置とマッチしてより自然な仕上がりに。
影にオレンジを入れるためのストロボは、直射してしまうと反対側に強い影がついてしまうので、ふわっとさせるためにバウンスで当てている。
A → ベーシックに顔に当てるためのストロボ
B → 影側にふわっと環境光のようなオレンジを入れるためのストロボ
グリッドをつけて雰囲気をチェンジ
△ グリッドなしVer.
△ グリッドありVer.
F値:4
シャッタースピード:1/200
ISO感度:200
ホワイトバランス:5000
まったく同じカメラ設定・ライティングで、グリッドなしVer.とグリッドありVer.を撮影してみた。
グリッドなしの方は全体に光が回って明るく爽やかな印象に。
グリッドありの方は、陰影が濃くなってクールな印象に仕上がった。
背景に光が回らず暗くなっている分、天井にバウンスさせているオレンジのストロボが陰影部分にしっかり色をつけている。
グリッドありで撮影する場合、顔にも陰影がある方がまとまりが出るので、ストロボの方を完全には向かないようなポージングをしてもらおう。
影に色をつけるためのストロボは、直接光が画角に入るとふんわりとした色づきがなくなってしまうので、バウンス光だけが入るように調節しよう。
A → 被写体の真横からソフトボックスを当てる。高さは顔の位置から真横に向ける。
B → オレンジのカラーフィルターをつけたストロボを、被写体の方に向けないよう天井にバウンスさせる。
ボックス型のブースで撮ってみよう
F値:4
シャッタースピード:1/200
ISO感度:200
ホワイトバランス:5000
狭いボックス型のブースで撮影。
ブースの中にストロボを反射させて巨大なソフトボックスを作り、反逆光を当てているイメージ。
大きなソフトボックスがなくても、この方法なら柔らかい光を作ることができる。
また、手前側が暗くなりすぎてしまうため、ソフトボックスで顔が暗くなりすぎないように照らしている。
A → ソフトボックスをつけたストロボ
B → ボックス型のブースの中に光をバウンスさせるストロボ
カラー背景+カラーフィルターでオシャレに
F値:4
シャッタースピード:1/125
ISO感度:640
ホワイトバランス:5000
このキャラクターにこのカラー背景はちょっと違うかも……と思った時は、ストロボにカラーフィルターをつけてアクセントを加えてみよう!
今回はかっこいい雰囲気を出したかったので、ブルーのフィルターをつけたストロボを直射してパキッとした影をつけた。
背景がカラーペーパーやカラーの壁の場合、カラーフィルターをつけたストロボがひとつあれば、2色のカラーライティングをしたかのような写真を撮ることができる。
手軽にオシャレな写真が撮りたい時や、いつものブースをイメージチェンジしたい時に便利なライティングだ。
△ そのまま撮るとこんな感じ。レトロで可愛いらしい雰囲気のブースなので、そのままだとちょっと浮いているような気も……
A → グリッドをつけたソフトボックスで照らすメイン光
B → ブルーのフィルターをつけたストロボを直射
スタジオの作りを活かしてみよう
F値:4
シャッタースピード:1/200
ISO感度:200
ホワイトバランス:5000
撮影スタジオにあった監獄ブースを活用した写真。
被写体がいるのは鉄格子のこちら側。向こう側からオレンジのフィルターをつけたストロボを当てている。
その際、ストロボは扉からできるだけ離すとくっきりとした影がつきやすい。
檻の影が顔にかかってしまうとレタッチが大変なので、檻に背中を向けたポージングがオススメだ。
顔を照らしているストロボは、ソフトボックスで光を柔らかくして床に影がつかないようにしよう。
A → ソフトボックスをつけたストロボを反逆光で当てる
B → 監獄ブースの扉の奥から、オレンジのフィルターをつけたストロボを当てる
基本のライティング術をマスターしよう
今回は、編集部おすすめのソフトボックスと直射のストロボの2灯を使って撮影を行った。
どれも比較的簡単なライティングなので、コスプレ撮影初心者は真似してみてほしい。
なお、今回撮影で使用したカラーフィルターは、1セット持っておくと表現の幅が広がるオススメアイテム。
商品によっては綺麗に発色しないこともあるので、事前に家で発色の確認や練習をしておこう。
また、ソフトボックスは値段も使用感も光の質も商品によってさまざま。
コスプレ撮影では、シェアスタジオやコスプレイベントなど人の多い場所での移動が多いため、簡単に畳めるものが便利!
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