コスプレイヤーみりん『FGO』クリームヒルトで初“鎧”自作!接着芯に合皮を貼る斬新な知恵

目次

造型・衣装・メイク・ウィッグ…こだわりが詰まった力作


コスプレイヤーみりんさん(@Rincat_M)が『Fate/Grand Order』クリームヒルト第三再臨のコスプレ写真を公開した。

圧倒的クオリティで示すクリームヒルトのコスプレ。その存在感は観るものを圧倒する。丁寧なコスプレ造型のこだわりをじっくりとみりんさんにお伺いした。

鎧造型と衣装製作のポイント

合皮と塗装で銀を表現

ちょっとした小物のコスプレ造型はしたことがあったのですが、本格的な鎧の造型は初めてです。基本的には合皮を貼ったパーツで組み立てました。一部の曲面になっているパーツはエアブラシ塗装しました。腰、籠手などは合皮を貼って色を表現しました。

肩パーツ、ティアラ、胸当て、腰横の小さいベルト部分が塗装箇所です。塗装部分は貼った合皮とほぼ同じ色(GSIクレオス、GXホワイトシルバー、クリア)を使いました。
使用したエアブラシはタミヤの「スプレーワーク」です。プラスティック製なので、エアブラシ初心者の私でも軽量で扱いやすかったです。
下地はGSIクラオスの「水性ブラックサーフェイサー」。水性なので匂いがキツくなく、メタリックの質感も綺麗に仕上がったのでおすすめしたいです。筆塗りでもエアブラシでも使えました。


接着芯に合皮を貼る、新しい造型テクニック

肩についてるヒラヒラした装飾は、硬い接着芯に合皮を貼って作りました。ボードで作るよりも布に近い動きが表現できました。「+」のような模様も、厚い合皮を切り出して貼り付けたので、ライティングで影をつけ、存在感をだすことができました。


籠手は腕に付けながらバランスを考慮する

籠手は細かくパーツを切り出して合皮貼りしました。

パーツを接着しながら完成形を目指す方法で制作したので、バランスが難しかったです。
作中の旦那であるジークフリートを意識したようなデザインになっていて、そんなデザインの鎧を身に着けてしまうクリームヒルトが可愛くて制作が楽しかったです。



接着芯で布地に張りを

スカートの上のクロスした黒い装飾も、少し光沢ある布に硬い接着芯を貼りました。
スカートの上にしっかり沿うシルエットにしたかったので、トルソーにパニエを履かせて、その上にフィットするように微調整を重ねて制作しました。


ポージングで映える衣装作り

ポージングで映えるような広がるシルエットにしたかったので、360°の全円スカートにしました。
裾のフリルは何メートル縫ったかわかりません…。かなりかわいい一面があるキャラクターなので、気持ち大振りなフリルにしました。
https://twitter.com/Rincat_M/status/1548169934777171974
スカートの色味は、ウィッグの色を考慮してオフホワイトにせず、若干くすんだホワイトの生地を選びました。
中のパニエは子供用の市販のワイヤーパニエを履いています。
キャラクターの背景的に身分は高いけれど、第三再臨衣装は戦える鎧なので、華美すぎず安っぽく見えない生地を選びました。

銀のアイシャドウで統一感を出す

イラストのようなゴシックっぽいメイクを目指しました。
真っ黒ではなく、黒に近い銀のアイシャドウを入れて、衣装との統一感を意識しました。

かなり色白なキャラなのでcoscos製パーフェクトHDファンデーションを使用しています。ハイライトに薄く白ドーランを使うか迷いましたが、今回は見送りました。
頬にチークは入れていませんが、血色が悪くなりすぎるのもどうかと思ったのでノーズシャドウに薄くピンク系のチークを仕込んでいます。


ふかしを入れたバンスは上下逆さまに付けることでボリュームを倍増

スーパーロングとバンスを使って制作しました。スワローテイルのバタークリームをセレクト。
結い上げに見せたかったので、ウィッグの上半分は結んでポニテにし、下半分はカットせずそのまま三編みをして頭部に巻き付けました。

結んだ上半分を下から持ち上げるようにバンスをつけています。
ふわふわしたボリュームがあるキャラクターなので、バンスはそのままつけず上下ひっくり返して、さらに内側に逆毛を立ててもふもふ感を目指しました。

ウィッグをなるべく軽くしたかったので、後頭部の数列、毛束を横一列取っていますが、三編み部分は太くしたかったので、取った毛束を一緒に巻き込んで三編みしました。

結局重たくなってしまったので、ウィッグが後ろにずれないよう、撮影時はバンスの更に下に見えないようにクリップを付けてウィッグネットごと固定していました。


宝石パーツは塗装で形を変える

三編みの固定に接着剤は使っておらず、ピンで止めているだけなので、みつあみの隙間にティアラを差し込めるように写真のように固定方法を工夫して制作しました。
赤い宝石部分は宝石パーツを使用しております。しかしそのままの形だと理想の形ではありませんでした。そこで宝石パーツの余分な面積をグルーガンで埋めました。形・色を残したい部分にマスキングテープを貼り、余分な部分が銀になるよう塗装し、宝石パーツが最初からその形であったかのようにすることができました。

ボードで制作しており、厚みを出したかったので、グルーガンで盛りました。

赤い宝石部分は(首のチョーカーも同様)理想の大きさのパーツがみつからなかったので、一度グルーガンで埋め込んで、あとで残したい部分にマスキングテープを貼り、塗装が終わったあとでマスキングテープを切り出しました。

大剣も制作する

【材料】
スタイロフォーム
紙粘土
LEDライト
プラバン
木工用ボンド
透明アクリル棒
球体スチロール
水道管ジョイント

【塗料】
造形ベース
タミヤ クレオスブラックサーフェイサー(水性)
タミヤ 焼鉄色
クレオス ラフシルバー
クレオス クリアオレンジ
タミヤ ラッカーlp52
クレオス ブラック
クレオス クリアー(光沢)
※エアブラシで使用するので「薄め液」は必須。造形ベースとクレオスブラックサーフェイサー以外は毎度薄めて使用しました。

作り方

スタイロフォームを2枚削り、その間にプラバンとLEDライト、アクリル棒を挟む。LEDライトの電池式スイッチボックスは後から取り出せるような隙間を作って格納。

紙粘土で装飾部分を盛って成形。このとき半球にしたスチロールを目の部分に埋め込む。分割手できるように、善きところで横半分して、水道管ジョイントを付ける。

下地の前に木工用ボンドで目止めする。スタイロフォームは目が荒くで造形ベースだけだと、造形ベースがスタイロフォームに吸収されてしまうため。

木工用ボンドが乾いたら、造形ベースを塗る。複数回重ね塗りして表面を平にする。造形ベースが乾いたらクレオスブラックサーフェイサーを原液のまま全体に塗る。

クレオスブラックサーフェイサーと焼鉄色を混ぜ、エアブラシで全体に吹きつける。乾いたらクレオスラフシルバーを丸めたサランラップにつけて塗装。これで炎のようなパターンを表現。

ラップ塗装した部分にクレオス クリアオレンジ、タミヤ ラッカーlp52の順番でグラデーションになるよう塗装する。クレオスブラックではみ出した部分を修正。奥行きの影などを足す。仕上げにクレオスクリア0−を吹き付けて艶出しと保護をして完成。


初めての「鎧」造型もやってみるとちゃんと完成する!

2週間程で1から作成しました。次回の撮影までに武器も制作したいです。
いつも撮ってくれる馴染みのフォトグラファーの舞哉さん(@Kanzakimaika)との撮影だったので、カメラマンのテイストと出来上がる写真の質感を考えて、映えるような布等の素材を選びました。
ちゃんとした鎧を制作するのが初めてで不安だったのですが、意外と形になったので造型苦手な人でも挑戦してみてほしいです。


画像ギャラリー


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