コスプレイヤーみりん『FGO』クリームヒルト全再臨衣装を自作のコスプレで表現!こだわりを本人に聞く

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クリームヒルトの全再臨衣装を自作する

自作もこなすコスプレイヤーみりんさん(@Rincat_M)が大人気スマホゲーム『Fate/Grand Order』のクリームヒルトの全ての再臨衣装を自作した。

再臨とは、「霊基再臨」と呼ばれる成長レベル上限が達したキャラのレベル上限を上昇させるシステムのこと。いわゆる限界突破、レベル解放と呼ばれるものだ。FGOでは霊基再臨するたびに衣装が変化するため、その衣装を観るためにキャラを成長させる、という楽しみ方もあるのだ。初期の第一再臨から第三再臨まで3つの衣装に変化。4段階目の最終再臨はそれまでの立ち絵とは違う、新規描き下ろしイラストに変化する。

みりんさんはクリームヒルトの再臨によって変化する、第一再臨から第三再臨までの衣装を自作。そのこだわりについて深く伺った。

第一再臨について


「喪服」をテーマにしていたこの衣装で一番こだわったのはシルエットです。全身黒いので、ライティングによっては細部が潰れてしまうため、シルエットを重視しました。

グラフィックや立ち絵を見て、ドレスの広がり方、腰の華奢さ、袖の形状、ブーツの留め具、ハットとチュールなど、彼女の要素だとわかる部分の忠実な再現を目指しました。
また、バルムンク(武器)の禍々しさと対比するよう、ドレスや頭部のチュールのふわふわ感を大切にしました。

衣装製作の前に一度自分なりに衣装の設計図を描いて情報を整理します



ビスチェ

ビスチェは、アイロンプリントで模様を貼り出し、ボタンは少し凝ったデザインのもの、また、ラインストーンを取り入れて控えめな華やかさを出しました。
アイロンプリント部分について、生地と同系色であまり目立たないものの、ライティングによっては光沢感の表現ができ、模様が浮き立ちます。

スカート

スカートは2段構造になっており、上段の模様はバックサテンシャンタンに接着芯を貼ったものを切り出し、縁をミシンの刺繍機能で縫い付けました。
縁取りには生地より濃い黒の糸を使用し、模様の立体感を目指しました。
下段の漆黒のスカートは暗さと重たさを表現したくて、厚く重い生地をたっぷり使用しました。
バックスタイルのリボンのような飾りですが、サラッとした薄布を使用し、三段で構成しています。
黒く透けるので、ひらみ撮影やライティングなどのふとした瞬間に喪服らしさが演出できるかと思いこの生地を選びました。


袖型は当初作った形では納得がいかず、ランタンスリーブに形を変更し制作し直しました。
また、カフス周りの装飾にもバックサテンシャンタンを使用し、縁取りとしてグレーのブレードを使用しました。
カフス周りのサテンの装飾は取り外し可能なので、自分の手首に合わせてキツさを調節できます。
また、両手首のビーズですが、真っ黒の大きめのビーズを探すのに苦労しました。

胸元のタイと首周りの装飾

三段の豪華なデザインなのでふわふわの立体感が出るようアイロンでギャザー型を作りました。また、高級感も欲しかったので、ただのシルクっぽい生地ではなくあえてライティング映えするバックサテンシャンタンを使用しました。
タイをまとめるパーツに皮を使用し、質の違う光沢を取り入れました。また、首周りのタイを支えるネックレスのようなパーツには、グレーの貝パールを使用し喪服らしい重厚感とキャラクターの身分に合うようなパールの高級感を意識しました。

首周りのギザギザした襟飾りは、スエード生地を使用し、縁には光沢あるグレーのブレード(手首周りと同様のブレード)を使用しました。また、模様にはスカートの模様同様にサテンを縁取り刺繍し縫い付けました。目立たないですが、黒のラインストーンもつけています。
両肩の銀の装飾は、ボードにシルバーの合皮を貼り付けたものを接着しています。(造形箇所になります)
銀の丸い留め具はスタッズを使用しています。


ハット

葬儀やウェディングなど冠婚葬祭時に使用されるハットを参考にしました。
ハットや、チュールのラインにベロアリボンを使用しています。
チュールのふわふわ感を誇張したくて、ただのリボン型にするのではなく、リボン型中央の下側にさらにチュールを取り付けて上チュールを支える形でボリュームを出しました。
ウィッグの三つ編みに挿して固定できるよう、留め具は第3再臨のティアラと同じパーツを使用しています。

ブーツ、手袋

ブーツカバーを制作しました。
大量のバックルも、合皮で制作しました。
歩きやすいヒールに合わせて作ったので、激しいヒラミ撮影などにも対応できます。
手袋は、黒の透けるレースを使用した市販の手袋を使用しています。小さいリボンがついていたり、レースの模様も花柄で綺麗なので気に入っています。

メイク

第一再臨は他の再臨より悲しみの要素を表現できるようアイシャドウに寒色を多く使用しています。
シャドウのカラーは立ち絵を参考にしていますが、洋画などで、恋愛絡みで泣いている女の子達は、アイメイクが溶けて目の下が青黒くなっていることが多いなぁと思ったので、現実で落とし込めそうな色味は洋画を参考にしています。
この再臨では愛した人が亡くなった悲しみを表現できるようアイシャドウにも気を遣っています。

第一再臨自作衣装まとめ

「コスプレ映えする喪服ってなんだろう…」。クリームヒルトの3つの再臨の中で一番悩んで制作した衣装です。
喪服は哀悼の装束として、現代の一般的な葬儀ではシンプルが好まれるものの、コスプレ衣装として写真映えするようにどこまで華美にしていいのか…。

・「ニーベルンゲンの詩」には、身分の高い女性は、絹や宝石で豪奢に着飾って装うような記述があったこと
・最愛の夫との最期の対面時の装束であること
 →大好きな人の前では綺麗でありたいと着飾るはず
・喪服を10年以上着続けていた(結果的に普段着)
・少し前までヨーロッパ等の喪服は意外と派手でおしゃれだった

資料を漁って唸った結果、上記より、華美7割シック3割くらいで好きに作ろうと思い、サテンやストーンを要所的に使用しました。

小物のタイやパール、模様など、ポイントで目立たせたい部分をライティング映えする素材で作成し、衣装が黒くても沈まないコスプレ映えを狙いました。
また、スエードやベロアなど、しっとりした重厚感が狙える生地も使用したので、ただの黒い喪服ではなく、キャラクターの身分的な高級感も感じてもらえるような衣装を目指しました。

余談ですが…、キャラクターを知らない人がひと目見て「喪服」を連想できるような厳かさも目指しました。華奢な女性キャラクターの衣装が喪服だとわかったら、キャラクターを知りたいと思ってくれる人がいるかもという布教のチャンス…!実際にフォロー外の方にもキャラクターに興味を持っていただけたようで狙いは成功しました(笑)

▼続いて第二再臨衣装解説▼

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