ウィッグ染めアイテム徹底比較! ウィッグ用染料・油性マーカーなど5つのアイテムを試してみた
コスプレウィッグを自作する際、2次元キャラならではの髪色やグラデーションの再現に必須なのがウィッグの染色だ。
今回はウィッグ染めでよく使われる5つのアイテムについて、長所・短所や染まり方など実際にウィッグを染めて比較する。
COSPLAYMODE 2020年7月号掲載記事
何で染める? ウィッグの染料を徹底比較
欲しい色のウィッグが売っていない時や、グラデーションを再現したい時にチャレンジしたい“ウィッグ染め”。
でも「そもそもどの染料を使えばいいの?」「染料ごとに染まり方の違いはあるの?」と、疑問に思ったことがある人も多いはず。
今回は、ウィッグ染めでよく使われる5つのアイテムを同じ条件で比較。
それぞれの長所と短所、おすすめの使い方をまとめました!
この条件で比較!
一般的に、色が濃いウィッグほど染まりにくく、色が薄いウィッグほど綺麗に発色する。
今回はベースとなるウィッグの色でどう変化するのか検証するため、180度耐熱ウィッグのダークブラウン、ベージュ、グレーシルバー、ホワイトを用意した。
この4つのウィッグを各アイテムのグリーンで染めて、染まり方や時間、色持ちを比較する。
布用・ウィッグ用染料を比較
まずは、ウィッグ染めでよく使われている3つのアイテムを比べてみよう。
日本生まれの染料ブランド「みやこ染」から販売されている「コールダイホット」「ポリエステルダイ」は、どちらも布用染料。
一方で、コスプレ用品専門店「アシスト」から販売されている「染めタロー」は、ウィッグ専用の染料だ。
いずれもウィッグ全体の染色やグラデーション染めに向いているが、加熱しながらの作業となるので少し難易度は高い。
みやこ染「コールダイホット」
薄い色のウィッグはよく染まるが、色落ちしやすいのが難点!
1コ630円で色数も豊富な、みやこ染「コールダイホット」。
30度以上のお湯で染まるコールダイオールもあるが、ウィッグ染色には85度以上のお湯染めのコールダイホットの方が染まりやすい。
商品名:みやこ染「コールダイホット」
価格:630円(税込)
色数:28色
評価
・全体染め…◎
・部分染め…○
・濃色ウィッグ…×
・グラデ染め…◎
・染め時間…△
・色持ち…△
布用の染料なので、薄い色のウィッグには短時間の熱湯浸けでもよく発色する。
ただ、ウィッグの毛に染料が染み込みにくいのか、染色後に色落ちしやすいのが難点。
▼「みやこ染」公式サイトの商品ページはこちら
https://www.katsuraya-fg.com/products_post/detail2/
▼Amazonでの購入はこちら
https://amzn.to/4gfGcnu
みやこ染「ポリエステルダイ」
発色はコールダイホットと同程度だが、加熱でしっかり色がつき色落ちもナシ!
ポリエステル生地用の染料で、1コ880円で買えるみやこ染「ポリエステルダイ」。
ステンレス鍋などで90度以上の熱湯で加熱する必要があるが、合成繊維のウィッグの毛との相性は良い。
商品名:みやこ染「ポリエステルダイ」
価格:880円(税込)
色数:14色
評価
・全体染め…◎
・部分染め…○
・濃色ウィッグ…×
・グラデ染め…◎
・染め時間…△
・色持ち…◎
コールダイホットとほぼ同じ発色だが、付属の濃色促進剤を使いながらしっかり煮込むことで発色を保ち、染色後の色落ちがほとんどない。
ただし、色数が少ないので染め粉の混色が必要な場合も。
▼「みやこ染」公式サイトの商品ページはこちら
https://www.katsuraya-fg.com/products_post/detail3/
▼Amazonでの購入はこちら
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アシスト「染めタロー」
加熱必須だが色落ちほとんどナシ、短時間で綺麗に染まってくれる!
ウィッグ用の液体染料で、1コ1,000円ほどで買えるアシスト「染めタロー」。
加熱が必要ではあるがアクリルパーツも染まる染料なので、染め粉より染めムラが出にくいのがポイント。
商品名:アシスト「染めタロー」
価格:1,078円(税込)
色数:12色
評価
・全体染め…◎
・部分染め…○
・濃色ウィッグ…×
・グラデ染め…◎
・染め時間…○
・色持ち…◎
ウィッグ専用に開発されただけあり、布染めに慣れていない人でも比較的綺麗に加熱染めができる。
色数も豊富で、液体なので混色もしやすくグラデ染めにも向いている。
▼「アシスト」公式サイトの商品ページはこちら
https://www.assist-wig.com/item/018461
マーカー・ラッカーを比較
染料よりもお手軽なのが、油性のマーカーやラッカー塗料を使ってウィッグに色をつける方法。
今回は、ゼブラ「ハイマッキー」とアサヒペン「HSクリエイティブライフスプレー」を使ったが、他のものでも大丈夫!
ウィッグ全体を染めるのには向かないが、一部だけの染色や造形ウィッグの染色にはおすすめだ。
油性マーカー
ペンで毛を塗っていくだけでお手軽だが、広範囲で染めるには根気がいる!
一般的な文具の油性マジック。100均のマジックでもOK。
ネイル除光液を染み込ませたテッシュで、にじませて使うのもおすすめ。
・全体染め…△
・部分染め…○
・濃色ウィッグ…×
・グラデ染め…△
・染め時間…○
・色持ち…△
お湯染めと違ってペンで塗っていくだけなので、一番お手軽な方法。
淡色ウィッグの部分染め、襟足や根元の陰影染めには向いている。
ただし、汗で色が流れ落ちることもあるので衣装によっては要注意!
ラッカースプレー
黒や茶の濃いウィッグにもうっすら色がつく。ガッチリ造型ウィッグを塗装する感覚で使うべし!
スプレータイプのラッカー塗料。500〜700円ほどで買え、色数は豊富。
カチカチに固めた造型ウィッグに色をつけるのには向いている。
・全体染め…△
・部分染め…△
・濃色ウィッグ…△
・グラデ染め…△
・染め時間…○
・色持ち…△
染めるというより塗料を毛に乗せている状態。
濃い色のウィッグにもこれなら多少は色が乗るが、塗料が乾くと毛がカチコチに固まる。
一般的なウィッグ染めにはおすすめできないが、造型ウィッグの塗装には向いてるかも?
ウィッグの部分染めにはペイントマーカーがおすすめ
染料ではうまく染まらない濃い色のウィッグ。
部分的に染めたいだけなら、ペイントマーカーを使ってみよう!
もちろん、薄い色のウィッグで使うのもアリ。
COSPLAYMODEがおすすめするふたつのアイテムを紹介しよう。
三菱ペイントマーカー
黒や茶のウィッグにも色が乗るので、毛先や襟足のポイントカラーに!
商品名:三菱鉛筆「ペイントマーカー」
価格:253円(税込)
色数:15色
黒い紙にも高発色で字や絵を描けるマーカー。
1本200〜400円で買えるうえ、細いタイプなら色数も豊富。
▼「三菱鉛筆」公式サイトの商品ページはこちら
https://www.mpuni.co.jp/products/felt_tip_pens/oil_based/paint_marker/standard.html
マッキーペイントマーカー
毛のハイライト表現にも使える高発色!
商品名:ゼブラ「マッキーペイントマーカー」
価格:308円(税込)
色数:3色
合繊生地や合皮にスイスイ描けるマーカーで、特に高発色の金や銀マーカーは模様描きで愛用するレイヤーも多い。
1本300〜500円で購入可能。
白や銀を塗った上からなら、濃い毛色でも油性マーカーが多少発色する。
▼「ゼブラ」公式サイトの商品ページはこちら
https://www.zebra.co.jp/pro/detail/mackee-paint-marker/
用途にあったウィッグの染め方を選ぼう
今回の比較では、やはりウィッグ用の染料が総合的な評価も高く、おすすめできるという結果になった。
とはいえ、布用染料は色数も多く染まり方も異なるため、そちらを愛用しているという人も多い。
最初はウィッグ専用の染料を使い、慣れてきたら布用の染料を使ってみるのも手だ。
また、ウィッグの一部分だけを手軽に染めたいなら、油性のマーカーを使うのがおすすめ。
作りたいウィッグや完成イメージにあわせて、アイテムを使いわけてみてはどうだろうか。