イルミネーション撮影でおさえておきたい3つのポイント! コスプレで夜撮影に挑戦しよう
冬の醍醐味ともいえる街やテーマパークのイルミネーション。
コスプレでのイルミネーション撮影を成功させるための3つのポイントを紹介する。
モデル:しらゆき(@Snow_White__y)
文・写真:AK(@AK_camera)
イラスト:あまね
COSPLAYMODE 2022年1月号掲載記事
コスプレでイルミネーション撮影に挑戦!
街やテーマパークを華やかに彩るイルミネーション。
シーズンとなる冬は、コスプレイベントでもキラキラと輝くイルミネーションをバックに撮影するチャンスが多くなる。
初心者にはハードルが高く感じられるかもしれないが、ポイントをおさえれば大丈夫!
簡単かつ綺麗に撮れる方法を紹介していこう。
1. 露出設定を決める順番
2. 小物を使って幻想的にしてみよう
3. 夜撮影向きのコスプレを見極める
露出設定を決める順番
露出というのは写真全体の明るさを決めるポイント。シャッタースピード、絞り値、ISOの3つの要素で写真の明るさを決めることができる。
夜は自然光と違って時間帯で環境光が大幅に変わることはないので、スタジオ撮影などと同じく、まず背景のみで撮ってみてイルミネーションを好みの明るさの設定にする。
その後、被写体に対して当てる光の量を調整するのがセオリーだ。
背景の明るさを決めたら、そのときの作品の雰囲気に合わせて被写体に当てる光量を調整してみよう。
ここではストロボをメインにしているが定常光でも考え方は同じ。
レンズはできるだけ明るいレンズを使うのがおすすめ(開放F値1.4など)。
F3.5くらいのレンズでもISOを上げれば明るさはある程度確保できるので、明るいレンズがなくてもぜひ挑戦してほしい。
高感度に強いカメラじゃなくても、街中のイルミネーションならISO1600くらいあれば十分! 最近のカメラなら、どれでもキレイに撮れるはず。
高感度が使えない場合はスローシンクロといって、通常よりもシャッタースピードを落として(1/30くらい)、背景の光量を稼ぐような設定も試してみよう。
小物を使って幻想的にしてみよう
背景のイルミネーションだけだと、撮影ポジションや人物を入れる構図にどうしても無理が出てくる。
立体感を出すために電池で動作する装飾用のLEDをレンズの前に垂らしてみると、写真に奥行きが出るのでおすすめだ。
LEDは電池で動く程度だと背景にするには暗すぎるが、前ボケ用に使うとレンズに近いのもあって綺麗な玉ボケ感を出すことができる。
△ 飾り付け用のLEDの電飾。モバイルバッテリーなどで使える5mくらいのものがオススメ。
また、顔の明るさを補う程度なら、LEDライトをある程度顔に近づければ表情も綺麗に写る。
大きな機材がなくても街の明かりを使ってみたりと、工夫できるポイントがたくさんあるのでいろいろ試してみよう。
△ 小型のLEDライト。写真は「Profoto C1 Plus」だが、小型でもっと安いものもある。元々暗いところで使うので明るさはほどほどでOK。
装飾用LEDで奥行き感を演出
電池で動く装飾用のLEDをレンズの前に垂らして撮ることで、写真に立体感を出す。
レンズに近づくほど玉ボケは大きくなるので、明るいレンズじゃなくても大きな玉ボケを作りやすい!
シャッタースピード:1/100
F値:2.8
ISO感度:320
小型LEDライトで顔を明るく
小型のLEDライトを手に持ってもらって撮った写真。
こうすれば光量の少ないLEDライトでも十分綺麗な写真が撮れる!
さらに角度を調整しやすいので、影が出ない角度を狙えば顔が盛れるのもポイント。
シャッタースピード:1/100
F値:2.8
ISO感度:320
中望遠から望遠レンズ(85-200mmくらい)以上でF値を開放にすると、玉ボケが大きくなる。
標準域や広角気味のレンズでは玉ボケが小さくなるので、レンズフィルタなどを使ってキラキラした感じを補うのもアリ!
夜撮影向きのコスプレを見極める
夜のイルミネーション撮影をする際は、暗い場所での撮影に向いているキャラクターや衣装を選ぶことも重要だ。
黒や暗めの色のウィッグや衣装は、暗所で撮ると明るい衣装と比べて暗く沈みがち。
機材がたくさんあれば別だが、イルミネーションを背景に撮ることをメインに写真映えを考える場合、明るいウィッグのキャラや明るい衣装のキャラを選ぶことも手だ。
今回は衣装そのものも明るく、背景に負けないキラキラした感じでとても撮りやすいモチーフ。
暗い色味のキャラを撮る時は、できるだけ大きな面光源を用意するなどしっかり対策をしていこう!
イルミネーション撮影のバリエーション例
華やか多灯!
1灯を前から、左右後ろ気味にカラーフィルタを付けたストロボを当てて計3灯のストロボを使った。ショーのような鮮やかな感じに。
△ イルミネーションがアーチ状になっているので、奥行き感を出しつつ背後に他の人が見えなくなるように工夫。左右からもストロボを入れて明るめにしたのは、イルミに人物が負けないようにするため!
シャッタースピード:1/100
F値:2.8
ISO感度:320
印象的な2灯ライティング
そのままだと光が届かない部分が黒くなるため、前から1灯をアンブレラで当てる。
被写体の背後から照射角を一番広い設定でカメラに向けて当てると、被写体の影の部分がエッジになって浮き上がってくる。
△ まわりが暗いところで映えるので、少しまわりが暗いなと感じたら試してほしいライティング。作例では明るいウィッグだが、暗めのウィッグでもエッジが浮かび上がって背景と分離できる。
シャッタースピード:1/100
F値:2.8
ISO感度:320
高さの足りない装飾も工夫して撮る!
シャッタースピード:1/200
F値:1.4
ISO感度:100
奥行き感のある縦長構図
シャッタースピード:1/100
F値:1.6
ISO感度:100
ポイントをおさえてイルミネーション撮影を成功させよう
イルミネーション撮影を成功させる秘訣は3つ!
F値の小さい明るいレンズを使うこと、光る小物を持参して環境をフル活用すること、暗所でも撮りやすい衣装にすること!
せっかくのイルミネーション、しっかり準備して思い出に残る写真を撮影しよう。
その際はぜひ今回紹介した構図やカメラ設定を参考にしてみてね!