コスプレイヤーDAY初音ミクの変色する“マジカルミライ”のこだわり衣装解説
イラストを忠実以上に再現!DAYさんが紡ぐ初音ミク
コスプレイヤーDAYさん(@DAYsandayo)が初音ミク「マジカルミライ10th」の衣装を公開。
https://twitter.com/DAYsandayo/status/1542119149295783936
リボンや腰のパーツの全体的な浮遊感、随所に光るアイテムのアイディアなどDAYさんのこだわりが沢山詰め込まれた作品だ。DAYさんからその愛に満ち溢れたコメントをいただいたので紹介させていただきたい。
閃きはリラックスしてるときに浮かぶ
2018年から毎年マジカルミライのコスプレ衣装は作っているのですが今回は記念すべき10周年衣装!!
ということで衣装の形はシンプルであれ造形パーツの発光部分が多かったり宙に浮いているパーツがあったりと設定画とにらめっこしながらとても長い間悩みました。
どんな衣装を作る時もそうなのですが、設定画は常にスマホの待ち受けにしていて拡大しアトリエに貼っているので、四六時中目に入れてどうやったら3次元で形にできるか考えられるようにしています。
実際にアイデアが浮かぶのはトイレやお風呂や散歩中のボーっとしている時です(笑)
生地はラメやホログラムでキラキラベースに
製作は設定画が発表された2022年3月9日(ミクの日!)からスタート!
生地屋さんをはしごしたり通販のサンプル生地を見比べながら生地選びをしていきました。
衣装のテーマが”レトロフューチャー”だったので、ワンピースやパーツの形がレトロな分、生地はとことんフューチャーで未来感を感じさせるものにしたいなと、ホログラムやラメをチョイス!
このピンクの生地がカメラのフラッシュによって光や色の入り方が変わるのが面白くかなりサイバーチックな派手な生地なので、白地の方はバランスを考えてシンプルなエナメルを選びました。
どちらも厚手の生地なので、手袋など細かい部分を縫う時がとても大変でミシンが通らなかった場所もあるので一部は手縫いです。
シンプルなシルエットゆえに何度も型紙を調整したワンピース
ワンピースはシンプルな分、形にこだわりました!
要らない生地で試作サンプルを作った後も型紙を何度も調整しています。
スカートの広がり方に特徴がある衣装だったので、裾にボーンを通してパニエなしでも広がるように制作しました。
裏地にも切り替えをつけて、自分が着ていて気持ちが良いサラッとした生地を選んでいます。
どうしても露出面が気になる丈と広がりのあるスカートなので、統一感のあるエナメル生地で露出防止用のスパッツも作りました。
ボタンはレジンでレトロな形ながら、未来感が出るように半透明に制作。
くるみボタンを土台にしたので、普通のレジンより難しくて固める時に半分くらい失敗してかなり苦戦しました。
ひし形のようなパーツはワンピースと同じ生地を貼りこんでこちらも立体感が出るように作り、ワンピースからはマグネットボタンでつけ外しが出来るように装着しています。
光るステッキパーツ
構造的に強度が難しそうだったので、あらゆるパーツを貼り付けではなく物理的に刺して固定しています。
それでも強度が足りなかった場所は再度フレームから作り直しました。
浮遊感、LED、初音ミクを構成するアクセサリー
ネクタイやリボンは宇宙の浮遊感や無重力感が出せたらよいなと思い端処理したワイヤーを仕込んで自由に形が動かせるように作っています。
ベルトはバックルから製作。ピンクとお揃いのホログラム生地で光の当たり方で見え方が変わるサイバーな変身ベルトみたいになりました☆
手首と足首のパーツもベルトと同じ生地で作成。立体感が欲しかったのと、縫い目を出したくなかったのでCOSボードを使って厚みを出しています。
髪飾りは全ての星が光るので、全部に小型のLEDを仕込んでいます。
腰のパーツは3つとも厚みと立体感が出るように作りました。ハートと星は光る設定だったのでLEDを仕込んでいます。
ブーツの立体感は着脱を変えて表現
ブーツはブーツカバーを作りました。靴に合わせて型紙を取り、ファスナーで着脱できます。
底はゴム、折り返しはスナップボタン、立体パーツはマグネットボタン、
かかとはマジックテープというように場所によって着脱方法を変えて制作しています。
2度めのウィッグセットで成功
ツインテールが3色になっているので白のバンズを青みのピンクでグラデーションに染めたものを2つに分割してメインのバンズの中に仕込んだ後に巻きました。
設計図を書きながら構想を練った背中の造型
最後まで一番悩んだ部分です!
大きいだけじゃなくて光るし何故か宙に浮いているので物理的に厳しくて、スケッチブックに描きこみながら構想を練りました。
更に実際にはまず細かく分割できないと持ち運びができないので、その点もとても悩んで作りました。
球体は大きめのキッチンボウルを8個使用。リューター(電動やすり)で不要部分を削りながら普通の半球になるように制作し、中にLEDを入れて光るように作りました。
光が動いたら面白いだろうなと思って、LEDはグルグル光が回転するように設置しています。
透明のパーツで浮いて見えるよう腰に装着。重さもなるべく出したくなかったので全体的に軽いパーツを選んでいます。
電車移動も考えて装着パーツ含めると12パーツに細かく分割できるようになっています。
とてもこだわったので満足いく仕上がりになって嬉しいです!
毎年どんどん進化していくミクさんのように自分も進化していけたらなと思っています。
DAYさんの創意工夫と初音ミクに対するアイディアの熱量と進化。その全てが結実した衣装は多くの人々の心を打つに違いない。