ガレージ風スタジオで撮る! 個性を活かしたクール系ライティング術を解説

ガレージ風スタジオでの個性を活かした、クール系コスプレ写真を撮る方法を解説!
同じブースで雰囲気を変える撮り分け術もあわせて紹介する。
写真:涼子(@ryoko_camera)
モデル:おじぎ(@ojigi_chandayo)
COSPLAYMODE 2024年7月号掲載記事
ガレージ風スタジオで撮るクール系ライティング術
無骨な雰囲気の写真が撮れる、ガレージ風の撮影スタジオ。
今回はそんなガレージ風スタジオを舞台に、カラーフィルターやレンズフィルターを駆使してスタジオの個性を活かした写真を撮る方法をご紹介。
実際の機材配置例もあわせて解説するので、ぜひ真似してみて!

カラーフィルターで被写体を引き立てる
F値:2.8
シャッタースピード:1/160
ISO感度:800
ホワイトバランス:4800
背景は凹凸が多い部分が画角に入るよう選び、そこにカラーフィルターを当てることでくっきりと色分けされた表現に。
キャラクターのイメージカラーは赤だが、補色に近い色を入れると赤が引き立つので、イメージカラーにこだわり過ぎないようにしよう。
A → 顔を照らすメイン光。柔らかい光を作りたいので、大きめのソフトボックスを使用している。
B → ブルーグリーンのフィルターをつけたストロボで、スタジオ背景の凹凸へ向けて当てる。
C → 赤のフィルターをつけたストロボ。Bと同じく背景の凹凸に向けて当てる。
同じブースで昼・夜を撮り分ける
普通にソフトボックスを当てただけ写真がこちら。
綺麗に撮れてはいるが、時間帯などは特に感じられない、ただ被写体が綺麗なだけの写真になっている。
ここからライティングを少し変えて、昼間のような雰囲気の写真と、カラーフィルターを使った夜の街のような雰囲気の写真を撮ってみよう!
昼間っぽい雰囲気
F値:2.8
シャッタースピード:1/160
ISO感度:500
ホワイトバランス:4800
上から当てているストロボで作った影の位置を把握した上で、被写体にどのあたりに立ってもらうのか決める。顔や体が半分影になるくらいがおしゃれ!
顔を照らすストロボはあくまでも補う程度で、強くは当てない。コントラストの差が少なければ明るく昼間っぽい雰囲気に、コントラストが強ければ夜っぽい雰囲気になる。
A → 階段の上から、階段をかすめて当てているストロボ。
B → 顔に足りない光を補うためのストロボ。
夜の街っぽい雰囲気
F値:2.8
シャッタースピード:1/160
ISO感度:500
ホワイトバランス:4800
左右のカラーフィルターをつけたストロボで、どこに影をつけるのか、影をつけた部分にどう色を入れるのかがポイント。
何度もテスト撮影をしながら、影の位置のバランスを探っていこう。
顔の一部に強い色が入る方が、カラーライティングとして引き立つのでおすすめ。
A → ブルーグリーンのカラーフィルターをつけたストロボを階段上から当てる。
B → 赤のカラーフィルターをつけたストロボを、手前の階段をかすめるようにして当てる。
C → 全体の光量を補いつつ、顔の色がきつくなりすぎないようにするためのストロボ。
ストリークフィルターを使って印象的な光に
F値:2.8
シャッタースピード:1/125
ISO感度:1000
ホワイトバランス:4800
下の写真はそのまま撮影したもの。
天井の蛍光灯が多く、光る装飾品もあるブースなので、ただ撮っただけでもキラキラと美しい。
もちろんこのままでもいいのだが、ライン状のフレアを発生させる「ストリークフィルター」を使うと、冒頭の写真のように映画っぽい一枚に。
ライティングはシンプルに、ストロボは顔を照らす1灯のみ。
ISO感度を上げて環境光が際立つようにしよう。
△ 今回はKANI「Streak Rainbow 82mm」を使用。他のストリークフィルターと違い、虹色のストリーク効果が得られるので派手でカラフルな印象に。【Amazon】https://amzn.to/4lp0TyI
電飾系ブースはコントラストが大事!
F値:4.5
シャッタースピード:1/125
ISO感度:2000
ホワイトバランス:4800
ソフトボックスを当てると全体に均等な光がまわり、コントラストが弱くなってしまうため、グリッドをつけたストロボを直射して顔の周辺だけ当たるようにする。
背景は周辺の電飾の色や明るさを活用。暗い中に電飾の光が浮かび上がるようにすると、コントラストが効いたインパクトある写真になる。
下の写真は、被写体にソフトボックスを当てたもの。全体的に壁も明るく、フラットな印象になってしまっている。
ストロボ1灯で簡単2パターンライティング
自然光のみで撮影した写真がこちら。
そのままでも綺麗なのだが、今回はストロボ直射1灯の向きを変えるだけで、違った表現を作れる方法を紹介!
ストロボを壁に向ける
F値:1.6
シャッタースピード:1/200
ISO感度:400
ホワイトバランス:4500
ストロボを壁に斜めに向けて、壁の凹凸を強調するスポットライトに。
コントラストが強くなり、ハードな雰囲気の写真が撮れる。現像でさらにコントラストを少し上げるのがおすすめ。
ストロボをカメラに向ける
ストロボを壁際に置き、反逆光で被写体へ向ける。
発光面が画角に少しだけ入るようにすると、フレアが発生して光源の方向がふわっと白っぽくなる。
・ストロボの強さ
・画角に入れる発光面
・レンズのコーティング
などによってフレアの入り方が変わるので、手持ちの機材でどんな感じになるか試してみよう。
スタジオの個性を活かしたライティングをしてみよう
今回撮影させていただいたスタジオは、工場そのままの部分も、作り込まれたブースもある複合的なガレージ風スタジオ。
壁に凹凸が多いため、その凹凸にストロボを当てて背景の奥行きを演出したり、フィルターを使って光の演出をしてみたりと、一癖ある写真が撮れるよう工夫してみた。
ガレージスタジオでコスプレ撮影をする際はぜひ参考にしてみてほしい。
NEUN GARAGE
東京都墨田区緑3-9-3 箱田倉庫
公式HP:https://tugstudiogroup.wixsite.com/garage
公式X:https://x.com/neungarage



