黒ホリでコスプレ撮影! 基本のライティングと印象を変えるアレンジカットの撮り方を解説

シンプルゆえに、いつも同じような写真になってしまいがちな黒ホリゾント(黒ホリ)でのコスプレ撮影。
印象をガラッと変えるライティング術を、作例と実際のカメラ設定もあわせて解説しよう。
写真・文:涼子(@ryoko_camera)
モデル:小鳥みやび(@toritori_miyabi)
COSPLAYMODE 2023年11月号掲載記事
黒ホリを使いこなす!印象を変えるライティング術
シンプルだからこそ、使いこなすのが難しい黒ホリゾント(黒ホリ)。
「どう撮っても同じになっちゃう……」「そもそも黒背景にライトが反射してうまく撮れない!」という方のために!
黒を生かした基本のライティング術と、印象をガラッと変えるアレンジカットの撮り方を解説しよう。

黒ホリはこう撮る!基本の撮り方
F値:F4
シャッタースピード:1/250
ISO感度:320
ホワイトバランス:4700
黒い壁に光が当たると反射して白っぽくなるため、できるだけ横からや斜め後ろからの光を駆使して撮影しよう。
そうすることで、黒の深みが出てしっかりと黒い背景に。
A → 背景に光がいかないよう、グリッドを付けたソフトボックスをメイン光として使用。
B → [A]の反対側が真っ暗になってしまうため、エッジを出す目的で斜め後ろに当てる。
C → 武器が暗くなってしまうため、武器だけを明るくするストロボ。必要に応じて適宜設置する。
ソフトボックスで被写体を照らしただけのカット。
背景まで光が行き渡り、ホリゾント部分や背景の壁に光が反射して安っぽい写真になってしまった。
カポックを使ったモノクロカット
F値:F2.8
シャッタースピード:1/250
ISO感度:320
ホワイトバランス:4700
被写体以外の背景部分で、カポックの境目を入れることでパキッとした境目が出る。
被写体の顔の向きはストロボ側にすると不自然に明るくなってしまうので、正面向きで半分影になるようにすると◎。
A → 黒背景側から、グリッドを付けたソフトボックスを当てる。白背景側にあまり光がいかないように絞る。
B → 被写体に光がいかないような位置から、背景のカポックを白飛ばしするために当てるストロボ。
アルミホイルで鏡面反射風
F値:F1.4
シャッタースピード:1/250
ISO感度:160
ホワイトバランス:4700
斜め上くらいの位置から被写体にストロボを当てる。
グリッドをつけて、必要のないところが明るくならないようにしよう。
一般的なアルミホイルはくしゃくしゃになりやすいので、通販などで買える厚手で幅広のものがオススメ。
「多重露出」に挑戦してみよう
F値:F1.4
シャッタースピード:1/250
ISO感度:320
ホワイトバランス:4400
2枚の写真が重なって1枚になる「多重露出」という機能を使う。
お面と被写体は、配置を考えながらそれぞれ撮影した。
ライティングはシンプルで、上の写真の通り。「多重露出」はデジカメの静止画撮影メニューにあるので試してみて!
多重露出は、黒い部分がはっきりと透けて白い部分は透けないため、黒ホリで試してみるのがオススメ。
重なっているところはあえて透け感を出したいので、紫のストロボでエッジに光を入れ、被写体を黒くしすぎないことで透け感を目立たせる。
投影機材を使った暗めの心理描写
F値:F4
シャッタースピード:1/200
ISO感度:640
ホワイトバランス:4400
投影機材を使用する際、白ホリは投影したものがキレイに発色するのに対し、黒ホリは少しくすんだ感じに仕上がる。
闇を抱えるような心理描写では、そのくすんだ感じが丁度よく、周りが暗く落ちるためとても使いやすい。
ただ、被写体の衣装の一部に明るめな色がない場合は暗く沈みすぎるので、衣装との相性も考えておこう。
黒を生かした光の表現でバリエーション豊かに
黒ホリは背景に光を反射させないようにして、しっかり“真っ黒”として使うのがポイント。
広いスタジオの場合、背景から光源の距離を離せば光が届きにくい。
狭くてそこまで距離が取れない場合は、バストアップやしゃがみ構図にするなど工夫してみよう。
黒い背景だからこそ際立つ“白”を生かして、フレアを入れたり光芒を入れたり、光の表現を取り入れてみるとさらにバリエーション豊かに!
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