リアルな“夏”を演出するライティング術! スタジオでも屋外のような写真を撮る方法

夏の日差し、夕焼け、花火…… 夏っぽいシチュエーションのコスプレ写真を撮ってみよう!
スタジオの中でも、まるで屋外のような写真が撮れるライティング術をご紹介。
モデル:MIMARI( @mima2ko )
写真・文:涼子( @ryoko_camera )
COSPLAYMODE 2022年7月号掲載記事
室内で夏っぽいコスプレ写真を撮る方法
夏はコスプレ撮影したいシチュエーションがたくさん。
でも、真夏の屋外は暑すぎてコスプレどころじゃない!
そんな方のために、クーラーの効いたスタジオ内でも夏っぽい写真が撮れるライティング術をご紹介。
ライティングと小道具を使いこなせば、まるで屋外で撮ったような雰囲気ある写真が撮れちゃいます!

夏の日差し風ライティング
f値:2.8
シャッタースピード:1/160
ISO感度:1000
ホワイトバランス:4700K
夏っぽい写真を撮りたいけど、真夏に屋外で撮影するのは暑くて無理!
そんな時は、クーラーの効いたスタジオの中で夏の日差しを再現しよう。
ふたつのストロボを使えば、強い日差しが照りつける真夏の屋外風カットが撮れるぞ。
A → 少し離して直射するストロボ。
B → 背景を明るくするため、天井バウンスで広範囲に配光するためのストロボ。
夏の日差しを再現するポイントは、影がくっきり出る強い光を使うこと、背景全体も明るくすることのふたつ。
ストロボは光量が足りるのであれば、被写体から離せば離すほど影がくっきりして夏感が出る。
人物の肩の影などは黒に近い色でもいいのだが、背景において、地面から照り返しが来るような場所は、影の色が少し薄くなるように背景用のストロボを調整する。
普通にソフトボックスを当てるだけだとこんな感じ。
被写体に当たる光は明るいものの、光が柔らかすぎて夏っぽさが出ない上に、背景が暗くて昼間らしさがあまりない。
夏の夕焼け風ライティング
f値:1.4
シャッタースピード:1/200
ISO感度:160
ホワイトバランス:5700K
夏の夕方の“エモい”雰囲気も、スタジオ内で再現可能!
ストロボにオレンジフィルターをつけて、夕日風ライティングにチャレンジしよう。
ちょっとしたアイテムがあれば、お祭りに遊びに来たようなカットも撮れちゃう!
A → 提灯や街灯などの光があたっているように見せるためのストロボ。ソフトボックスをつけているが、光が回りすぎないようにするためにグリッドをつけている。薄めのオレンジフィルターあり。
B → 顔の影側に色をかぶらせるためのストロボ。色味に違いがあったほうがリアルになるので、Aのストロボより濃い色のオレンジをつけていて、壁バウンスをすることで強い影がつかないようにしている。顔を明るくしてしたい気持ちをぐっとこらえて、影を多めにすると夕方~夜になっていく雰囲気が出てくる。
△ 撮影風景はこんな感じ。ちょっと力技感もあるが、被写体の前に金属の棒とオレンジの布を用意し、それが画角に少し写り込むようにしただけで、縁日に遊びに来た感が出る。
手持ち花火風ライティング
f値:1.4
シャッタースピード:1/200
ISO感度:500
ホワイトバランス:6000K
夏といえば花火! でも、実際に花火ができるスタジオやロケ地を探すのは大変。
花火風のカットも、もちろんスタジオ内で火を使わずに再現可能だ。
これまでのライティングよりちょっと複雑になるが、かなり雰囲気が出るのでぜひチャレンジしてみて!
A → 手前に置いた白カポックに弱めのストロボを反射させる。
B → 背景の部屋の中から、障子を明るくするストロボ。先端をストロボの光が反射している位置にもってくる。明るすぎるとリアルさがなくなるので、ちょっと暗いかな?と思う程度に。
下からの光になるため、おばけのようにならないよう被写体には下を向いてもらう。夜なら家の中の電気はついているのが自然なので、背景の家の中はしっかりと明るくする。
△ 実際の撮影風景はこんな感じ。手に持っているものは、実はお箸。手持ち花火っぽく見えればOK!
打ち上げ花火風ライティング

f値:2.8
シャッタースピード:1/400
ISO感度:500
ホワイトバランス:4700K
花火といえば手持ち花火の他にもうひとつ、打ち上げ花火も夏っぽさを演出できるシチュエーションだ。
でも、コスプレ撮影OKな花火大会はとっても少ないし、夜の撮影は難易度が高い。
カラーフィルターとストロボを駆使して、打ち上げ花火を見ているようなライティングを作っちゃおう!
A → 3色のストロボにカラーフィルターをつけて、同じ方向の高めの位置から当てる。1本のスタンドにクリップでつけているため、使用しているスタンドは1本。
B → 背景の家の中を少し明るくするためのストロボ。手前が明るいので、あまり明るくしすぎないように。
打ち上げ花火は色とりどりの光が降ってくるが、全体が青やピンクに染まりすぎてしまうとクラブ感が出てしまう。オレンジやイエローっぽい色を基調として、影の部分に多色が入るようにするとよい。
ライティングを工夫して夏っぽさを表現しよう
夏、といってもシチュエーションはさまざま。
今回はキャラクターが着用している浴衣に合わせて、お祭りに行く一日を再現してみた。
今回は4つのシチュエーションのライティング術を紹介したが、こういったリアルな写真を撮るには被写体のポージングも大事。
カメラマンと被写体で相談して、まるで外ロケしたような写真を目指そう!


