ロックミシンなしでできる! 簡単な布の端処理方法とバイアステープ活用法
コスプレ衣装を作る時、忘れちゃいけないのが布の端処理!
切りっぱなしの布はだんだん端がほつれてきてしまうもの。そのままにしておくと、せっかく作った衣装がボロボロに……
衣装を綺麗に長持ちさせるためにも、ロックミシンなしでもできる簡単な端処理の方法を知っておこう!
そもそも端処理とは?
布は摩擦によって、裁断した端部分から繊維が飛び出してほつれてくる。
ボロボロになるのを防ぐために、布の端にストッパーをかけるのが「端処理」だ。
端処理の方法は生地に合わせてさまざまだが、既製品の洋服などはロックミシンが使われている。
端処理Q&A
Q. 端処理はどのタイミングで行うの?
A. ほとんどの場合、型紙に沿って布を切り出した後、縫う前の状態で行う。縫製テクニックによっては、最後の仕上げに行うことも。
Q. 端処理しなくて良い布は?
A. 合皮やエナメルなどの表面がコーティングされているものは、布の端もコーティングで固まっているのでほつれない。また、裏地をつけて縫い端が隠れる場合も、端処理をしなくてOK。
Q. 端処理しないとどうなる?
A. 端がほつれると、縫い代がどんどん細くなって縫い目が解けてしまったり、糸くずが体にまとわりついて着心地が悪くなったりする。洗濯にも弱くなってしまう。
Q. バイアステープも端処理なの?
A. 装飾としても使われるバイアステープは、端を包んでその上からミシンをかけているので、端処理の役割も果たしてくれる。
簡単にできる端処理の方法5選
端処理はロックミシンを使うのが一番スタンダードだが、ロックミシンなんて持ってない!という方がほとんどのはず。
今回は、ロックミシンなしでもできる簡単な端処理の方法を5つご紹介しよう。
ジグザグ縫い
一番お手頃かつ一般的に使われているのがジグザグ縫いだ。家庭用ミシンの設定を変えて、裁ち目に沿って縫うだけ。
写真では分かりやすくするため違う色を使用しているが、基本的には布と同じ色の糸を使うようにしよう。
・綿ブロード
・ポリエステルツイル
・ウール など全般
ピンキングはさみ
比較的ほつれにくい素材の端処理なら、ピンキングはさみというジグザグ状に切れるはさみで裁断するだけでもOK。
ピンキングはさみは手芸店で3000円くらいで購入可能。ちょっとした模様のアップリケを作るときや、リボンを切るときも使える!
・アムンゼン
・合皮
・サテンリボン など
マニキュア
ほつれやすい薄手の素材やレオタード生地を使うときは、布と同色のマニキュアを塗ってほつれ止めにしよう。
透明のトップコートを使えば色を気にしなくてもOK。リボンの端のほつれ止めとしてもおすすめだ。
・オーガンジー
・シフォン
・サテン など薄く透ける生地
三つ折縫い
パンツの裾上げなどに使われる三つ折り縫いも簡単にできる端処理だ。やり方は端を三つ折りにして、折り目の上から直線縫いするだけ。
注意点としては、布を折り込むので、縫い代を多めに取っておく必要があること。パンツの裾なら1.5cm幅×2折りで、3cmの縫い代が必要。
・綿ツイル
・ポリエステルツイル
・サテン など中厚から厚手の生地
裾上げテープ
ミシンの縫い目を表に出したくないときは、裾上げテープをアイロンで貼り付けよう。
裾上げテープは、手芸用品店や100円ショップで販売されている。裾を多めに折った方が安定して接着できるので、縫い代は1.5cmほど必要。
・ウール
・サテン
・ポリエステルツイル などアイロンがけに耐えられる生地
端処理にもバイアステープ! おすすめ素材10選
装飾もできて端処理もできる便利なアイテム、バイアステープ。
市販品を使うのも手軽だが、せっかくなら自分で選んだ布をバイアステープとして使ってみよう!
生地選びのポイントは、メイン生地との色や素材感のバランス。初心者はほつれにくさも重視して選ぼう。
自分でバイアステープを作る場合に便利なのが「テープメーカー」。
切った布を通して、つまみをひっぱりながらアイロンをかけるだけで、簡単にバイアステープが作れる優れものだ。
ただし、厚手の生地やアイロンがかけられない生地はこのテープメーカーが使えないので注意!
アムンゼン
ちりめんのような、独特の表面が特徴のアムンゼン。
端はほつれにくいが、弾力があるので縫い付けても少し立体的になる。
アイロンをかけても弾力が抑えづらいので、敢えて厚くしたいときに使おう。
・ロリータ服
・学生服
・民族衣装系 など
針:普通用(#11〜#14)
糸:普通用(#50〜#80)
エナメル
ビニール的なツヤがあり、写真映えするエナメル。薄手だが、光沢感で立体的に見えるのも特徴だ。
難点は、摩擦でミシン押さえが進まないので、テフロン押さえが必要なこと。
SF作品にぴったりな近未来感を出したい時におすすめ!
・ヒーロー系
・SF系の軍服
・サイケデリック系 など
針:普通用(#11〜#14)
糸:普通用(#50〜#80)
合皮
マットな光沢があり、高級感を演出できる合皮。
厚さは色々あるが、厚みがあって立体的な方がリッチになる。
ビニールコーティングは摩擦が強いので、テフロン押さえが必要!
・ファンタジー系の軍服
・戦闘装束
・貴族服 など
針:厚地用(#16)
糸:太め(#40〜#50)
ツーウェイレオタード
水着などの伸縮性が必要なぴったりした衣装には、同じく伸縮する生地でバイアステープを作ろう。
ツーウェイレオタードはよく伸びるので、曲線が多いデザインの縁取りにも使える。
・レオタード
・パイロットスーツ
・ジャージ など
針:普通用(#11〜#14)
糸:ニット用
ポリエステルツイル
アイロンとの相性がよく、バイアステープとしては綿ブレードに次いで扱いやすいのがポリエステルツイル。
色数が豊富なので、衣装の色に合わせて選べるのもおすすめポイントだ。
・学生服
・軍服
・アイドル衣装 など全般
針:普通用(#11〜#14)
糸:普通(#50〜#80)
ボア
より立体的な端にしたい時は、思い切ってボアを使ってみよう!
太めの縁取りで可愛らしい仕上がりに。冬服や擬人化アレンジにおすすめだ。
毛が飛び散りやすいので、ボアのバイアステープも端処理を忘れずに。
・アイドル衣装
・ロリータ服
・ファンタジー系 など
針:厚地用(#16)
糸:太め(#40〜#50)
ジョーゼット
衣装をごわつかせたくない時や、あえて衣装を透けさせて遊びたい時におすすめなのがジョーゼット。
薄手なので、存在感は控えめに押さえられる。透け感が涼しげなので夏服アレンジにも!
・ドレス
・アイドル衣装
・ロリータ服 など
針:薄地用(#9〜#11)
糸:細め(#80〜#100)
化繊ベルベット
起毛生地に合わせるなら化繊ベルベットがおすすめ!
端のほつれが少ないタイプの起毛生地なら、縁取りとして扱いやすい。厚手と光沢があるので高級感があるのもポイントだ。
ただし、伸縮しやすいので初心者にはちょっと難しいかも。
・貴族服
・民族衣装系
・ドレス など
針:厚地用(#16)
糸:太め(#40〜#50)
フェイクファー
冬服はもちろん、ステージ衣装などインパクトを与えたい時におすすめなのがフェイクファー。
毛量があるので、ボアよりリッチな縁取りになる。テープ状のファーも売っているので使い分けて。
・戦闘装束
・アイドル衣装
・冬向けアレンジ衣装 など
針:厚地用(#16)
糸:太め(#40〜#50)
チャイナ生地
民族衣装風のコスチュームをゴージャスにしたいならチャイナ生地!
縁にも柄が入るとより派手な仕上がりに。衣装自体が派手なら、縁取りも華やかにしてOK。
細い縁取りなら小さい柄、太い縁取りなら大きい柄を選ぼう。
・アイドル衣装
・ドレス
・チャイナ風 など
針:薄地用(#9〜#11)
糸:細め(#80〜#100)
丁寧な端処理でコスプレ衣装を格上げしよう
つい手を抜いてしまいがちな布の端処理だが、ひと手間かければ衣装の仕上がりが断然良くなる!
せっかく作った衣装を長持ちさせるためにも、端処理は忘れずにやっておこう。
今回紹介した方法のなかで、コスプレ衣装におすすめなのはバイアステープ。
自作するのはちょっと手間だが、衣装のクオリティが上がること間違いなし!
細部までこだわった自信作でコスプレを楽しもう!