アンティークブースで雰囲気抜群なコスプレ写真を撮る方法! カメラマン直伝のライティング術を解説

アンティークな撮影ブースを生かして、雰囲気抜群なコスプレ写真を撮るためのライティング術をご紹介!

“肖像画風”カットの撮り方や、同じセットで昼・夜を撮り分ける方法など、作例写真付きで解説する。

写真・文:涼子(@ryoko_camera
モデル:マキセ(@makisecom
イラスト:お米粒
COSPLAYMODE 2024年9月号掲載記事

目次

アンティークブースを生かしたライティング術

クラシカルな衣装のキャラクターコスプレにぴったりな、アンティーク風撮影ブース。

でも「いつも通り撮るとなんだかのっぺりしてアンティークな雰囲気が出ない……」

そんな方のために、アンティーク風撮影ブースで雰囲気抜群な写真を撮るためのライティング術をご紹介!

“肖像画風”カットの撮り方や、同じセットで昼・夜を撮り分ける方法など、作例写真付きで解説する。

教えてくれたのは…
涼子
涼子
【X】@ryoko_camera

スタジオでのカメラマンサービスや宣材撮影、ストロボライティング講座などを行っている。

X(旧Twitter)でのライティングレシピツイートが人気。

 

 

“肖像画風”写真を撮ってみよう

カメラ設定

F値:4
シャッタースピード:1/160
ISO感度:400
ホワイトバランス:4500

コスプレイヤーからリクエストの多い“肖像画風”カット。

肖像画っぽく見せるポイントは以下の3つ。

・窓から入る自然光のような柔らかい光と陰影
・赤や黒など濃い色が色褪せている雰囲気
・マットな質感

今回はたまたまカーテンが緑だったこともあり、カーテンにバウンスさせた光で全体的に緑被りをさせて、古い写真のような雰囲気を出してみた。

現像で彩度を少し落とし、くすんだ質感にしている。

 

 

重厚感のある部屋の空気感を演出する

カメラ設定

F値:2.8
シャッタースピード:1/160
ISO感度:640
ホワイトバランス:4500

両サイドから反逆光を入れた時、顔をその中心にもってくると全体のトーンが均一となる。

周りの反射光だけで顔写りを調整。正面を向いていると余計な陰影が入らず、肌がとても綺麗に見える。

ただ、背景からの逆光があり、髪の毛にハイライトが入るため、被写体自体に立体感があり暗い印象にはならない。

今回は、ドアがあるスタジオでおすすめな、ドアから溢れる光を作ってみた。

ドアの後ろに大き目のソフトボックスを設置し、ドアの隙間に向けて当てる。手前側は、部屋の中の環境光風に。

オレンジのフィルターをつけたストロボを天井にバウンスして、ドアの外からの光と色を変えている。

ソフトボックスを当てて撮ったのが上の写真。

被写体の顔は綺麗に写っているが、背景の一部が反射で白くなっている上、綺麗すぎて部屋の雰囲気に合っていない。

せっかくのアンティークな撮影ブース、どのような光が当たっていたら印象的になるのか考えて撮影してみよう。

フレアを駆使してふんわりとした雰囲気に

カメラ設定

F値:2.8
シャッタースピード:1/160
ISO感度:250
ホワイトバランス:4500

ここで紹介するのは、アンティーク系の撮影ブースによく合うライティング。

シャンデリアの光が斜めから当たっているようなイメージで、ソフトボックスを被写体の斜め上方向から当てる。

次に小さいストロボをカメラ側に向けて直射し、フレアをわざと起こして全体を白っぽくする。

フレアを起こす用のストロボにはオレンジのフィルターをかけておこう。

フレアで白っぽくするためには、対比として背景が暗い必要があるため、濃い色の場所や暗い場所を背景に選ぼう。

普通にソフトボックスを使って撮影すると下の写真のような仕上がりに。

被写体は綺麗に撮れているが、せっかくのアンティークな空気感が出ていない。

硬い光でガラスが映える写真に

カメラ設定

F値:3.5
シャッタースピード:1/160
ISO感度:250
ホワイトバランス:4500

背景となるセットにガラスのビンなどの透明な容器がある場合は、夏のような日差しのライティングがおすすめ!

硬い光をあてることで壁にくっきりとした影がつき、透明な容器の影が印象的な一枚に。

A →メイン光、何もつけずに直射。

B →影のコントラストを和らげるためのストロボ。大き目のアンブレラをつけている。

ストロボと鏡を使ったワザありカット

カメラ設定

F値:4.5
シャッタースピード:1/160
ISO感度:250
ホワイトバランス:5000

カーテンの隙間から光が当たったかのようなこの写真は、鏡を利用して撮影したもの。

スタジオに置いてある鏡にストロボを当てて、そのまま被写体へ向けることで反射した光が入るようにする。

ただストロボを当てたのとは違い、背景が暗いままニュアンスのついた光となるのがポイント。

鏡が大きくて明るくなりすぎてしまう場合は、カポックなどで鏡の一部を遮るとよい。

 

 

同じセットで昼と夜を撮り分ける

同じテーブルとイスのセットを使って、ライティングだけで昼・夜を撮り分けてみよう!

1日の流れを表現したい時や、少ないセットでさまざまなバリエーションの写真が撮りたい時に使えるテクニックだ。

【昼】白っぽい光で均等に明るく

カメラ設定

F値:1.2
シャッタースピード:1/200
ISO感度:640
ホワイトバランス:4400

白っぽい光が被写体にも背景にも均等に当たっていると、昼間っぽい雰囲気の写真に。

昼間のライティングは下の写真の通り。無彩色のカーテンに2灯をバウンスさせている。

2灯使うことで手前から奥行きのある背景まで綺麗に配光でき、均等に明るい部屋に見える!

【夜】暖色系の光でコントラストを強く

カメラ設定

F値:1.2
シャッタースピード:1/100
ISO感度:800
ホワイトバランス:5500

室内の灯りのみで撮影している雰囲気を出しつつ、コントラストを強くすると夜っぽい雰囲気に。

メインはグリッドをつけたソフトボックス。被写体に反逆光で入れている。

これだけだと背景が暗くなり過ぎてしまうので、背景の調度品にも上から光を当ててみよう。

室内の間接照明などが当たっている雰囲気が出るのでおすすめだ。

 

 

アンティークブース攻略のコツは“ナチュラル”感

アンティーク風ブースはどれだけナチュラルな雰囲気に撮れるかが勝負!

ナチュラルな雰囲気の写真を撮る上で重要なのは、写真の「時間設定」だ。

どんな時間帯のカットを撮りたいのかが決まれば、メインとなる光もおのずと決まってくる。

何色の光がどこからきているのか、その光は柔らかいのか硬いのか、そういったことを考えながらライティングをすれば、ナチュラルなカットを撮ることができるぞ!

【撮影スタジオ】

Studio Sweets box ガトーショコラ
東京都荒川区東日暮里4-6-4 東日暮里4丁目ビル 4F
https://studio-sweets-box.jp/studio/

 

 

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