91歳最高齢の“コスプレイヤー”と孫の『ハウルの動く城』が尊い。孫の榊さんに訊く!
御年91歳“リアル”ソフィーコスプレが話題
コスプレイヤー榊さん(@I10572)が『ハウルの動く城』ハウルとソフィーのコスプレ写真をTwitterに投稿。
https://twitter.com/I10572/status/1480127155887837187
「大切なあなたと」との言葉とともに投稿された1枚のコスプレ写真。ハウルのコスプレをしている榊さんと、ほほえみ合っているソフィーのコスプレをしているご婦人は榊さんの本当のお祖母様。コスプレをしているキャラと榊さんとお祖母様の素敵な関係性が美しくリンクしているからこそ、心に迫るものがある。
この写真が撮影されたのは2021年1月8日に開催された「アコスタ!@池袋サンシャインシティ」。当日会場に参加されていた人々はもちろん、Twitter上で写真を観た人からも多くのコメントが寄せられた。
そんな素敵な写真を投稿した榊さんご本人にお話を伺うことができた。
鬼滅の刃でキャラと榊さんのコスプレに興味を
―お祖母様が榊さまのコスプレにご興味をもったきっかけ、作品、(榊さんのツイートにもあった)色々な面で支えてくれたというエピソードなどをお聞かせください。
榊:私がコスプレを始めたのが、祖母と一緒に暮らし始めてからでした。初めて衣装を用意し、イベントに行くまでの過程を祖母を含め家族が見守ってくれました。アニメや漫画に明るくない祖母ですが、テレビで『鬼滅の刃』が取り上げられてから、私が用意したコスプレを「これは鬼滅の刃かい?」とキャラクターに興味をもち、コスプレにも以前以上に興味をもってくれたように感じます。
祖母には本当にさまざまな面で支えてもらっています。裁縫の知識、技術が乏しかったのですが、和裁を習っていた祖母に教えてもらいながら、既製衣装の手直しからはじめ、今では自分の身体に合わせて型紙を引いて衣装を作成できるようにもなりました。
また、衣装準備等で寝食を忘れてしまうときも、おにぎりを握ってくれるなど、そっとサポートをしてくれています。「めんこいねぇ」と温かく見守ってくれていることが何よりも心強いです。
祖母が実際にコスプレを始めたきっかけは、私が「一緒におばあちゃんとコスプレをやりたい」と言ったとき、いつもは「若い人の趣味でしょ」「やらないよ」と言っていた祖母が「このシワシワのばあさんができるわけない」「体も齢で自由が利かないから」と断ったときでした。
この言葉を聞いたときに私は、祖母が“興味はあるけど(自分にコスプレが)できるわけがない”と言っているように感じ、「できる範囲で、やってみよう」と重ねて誘うと「私にもできるのかい?」と乗り気になってくれました。そこから私と祖母が共通で好きな『スタジオジブリ』から、一緒に観た作品、好きなキャラクターと祖母に似合いそうなキャラクターの双方の観点から『ハウルの動く城』のソフィーのコスプレをすることにしました。
更衣室でマスクを外さなくてよいよう家からメイク
―衣装、メイク、ウィッグの準備はどのようになさいましたか?
榊:衣装は祖母が所持していた深い青のワンピースが、ソフィーのワンピースと形が似ていたので襟元だけ少し直して使いました。コスプレ衣装としての物ではなく、普段から着られる服のため体への負担も少なく、そのほうが良いと思ったためです。
ウィッグや帽子などの小物類は私が祖母と着用感を確認しながら作成しました。
メイクは私のメイク道具を使い、ベースメイクまでは祖母にやってもらいましたが、アイメイクは私が施しました。身内贔屓でお恥ずかしいのですが、祖母は可愛い顔立ちをしているので、アイシャドウとアイブロウのみの薄めのメイクにしました。祖母が薄いメイクのため、バランスがとれるよう私もナチュラルなメイクにしました。
コロナウイルスの感染対策のため、更衣室内でマスクを外すメイクをしなくていいよう、自宅からメイクをしていきました。
撮影のときはシャンとする“若々しさ”
―お祖母様が当日参加された感想やご様子をお聞かせください。
榊:ソフィーのコスプレをするのは二度目で、『ハコスタジアム東京』でも一度コスプレで撮影をしてきました。一度目はスタジオなので、撮影がメインとなり「くたびれるねぇ」と言いながらも、気心の知れたメンバーの中でリラックスできていたように感じます。
今回は『アコスタ!@池袋サンシャインシティ』ということで、街中イベントならではの注目に「榊ちゃんは目立つねぇ」なんて笑っていました。「目立っているのはおばあちゃんだよ」「えぇ?」なんて会話をしながらレストランやカフェでゆったりと過ごしました。
カメラマン参加の方に声をかけていただくと緊張しながらもシャンと立っていた祖母、撮っていただいた写真を見て「素敵に撮ってもらって…」と嬉しそうな笑顔が見られました。高齢故に「疲れた」とも言っていましたが「楽しかったね」と一緒にコスプレを楽しんでくれていました。
ウィッグの着用については「前髪がチクチクして気になったけど、それくらいだね」とのこと。私が感じたコスプレを始めたての“ウィッグの締め付けが痛い”という失敗経験を活かして、あらかじめ伸ばしておいたネットを使い、緩めにウィッグを付けてアメピンでズレないよう固定していたので、問題なく過ごすことができたようで安心しました。また冬のためウィッグ内が蒸れることもなく、ちょうどよかったのかなと感じています。
若い人のコスプレを見て『カラフルな頭。不思議な服。非日常的だなと感じる。だけどみんな楽しそうだね。これ(コスプレ)が趣味、っていうのは大変だと思う。だけど、その大変なのも含めて楽しむのはいいね。』と、肯定的に捉えてくれていました。
近々92歳を迎える祖母ですが、これからも元気でいてほしいです。
榊さんのコスプレを優しく見守り、時にはアドバイスもくれた御自慢のお祖母様。凪李さん(@NainainineH)のツイートでは、榊さんのおばあさまの正面からのご尊顔を拝見できるので併せて紹介させていただこう。
https://twitter.com/NainainineH/status/1480328529590235136
とても91歳にはみえない“めんこい”榊さんのお祖母様。若々しい心でこれからも末永く人生を謳歌していただきたい。