結婚式場・チャペル・教会でできるコスプレ的ストロボセッティング
10月31日に行われたベルクラシックコスプレ撮影イベント。そのイベント終了後に特別に結婚式場、パンケット、教会、庭などでのストロボセッティングと撮影のコツをレクチャーします!
photo & text 松本和久 model のん( Ö )(@non_non_b1yor1)
結婚式場
室内で、ライティングの基本を復習しよう
結婚式場のホール内で人物撮影する際のストロボセッティングのコツをレクチャー。撮影当日はあいにくの雨でしたが、晴れていると、外からの光がたくさん降り注ぐ窓があります。天井の蛍光灯は白色で、落ち着きのある明るさを押さえた部屋になっています。
ストロボを使わずに撮影。暗い写真になりました。
写真全体を明るくする為に、天井にストロボを当てます。これをフィルインライトと言います。全体が明るくなりましたが、コスプレイヤーさんの顔にほうれい線のような影が出ました。
フィルインライトを使わずに、コスプレイヤーさんにストロボを当てた場合は、どうなるかを見てみます。顔に影が無くなって綺麗になりましたが、顔のテカリが目立ち、また、不自然な明るさになりました。これを、メインライトといいます。
メインライトとフィルインライトを同時に使うと、コスプレイヤーさんが自然な明るさになりました。
カメラ設定
焦点距離:40mm
ISO:1000
絞り:f2.8
シャッタースピード:1/160
メインライト:光量1/8
フィルインライト:光量1/4
使用機材
カメラ本体:SONY α7R3
レンズ:ZEISS Batis 2/40
ストロボ:GODOX TT600
デュフューザー:Profoto ソフトボックスRFi(60×90cm)、Profoto RFi フラットフロントディフューザー
ライトスタンド:トキスター TS-112-ST カーボンモビスタンド
ダボ:エツミ E-6745 スピゴットアダプター
ブラケットマウント:Godox S型 Bowensマウント
ポイント
ストロボなしで撮影してみて、少し暗いなと感じたら、フィルインライトとメインライトの2灯ストロボをセッティングしてみよう。
バンケット場
バーカウンターでかっこよく撮影しよう
全体が茶色の内装。照明は、壁の間接照明、テーブルの上のローソクのみの大人の空間になっています。趣のあるバーカウンターでクールなストロボライティングを伝授します。
暗い室内で、ストロボを使わずに撮影すると、暗くて陰影の無い写真になりました。
コスプレイヤーさんに、左からメインライトを当てます。
コスプレイヤーさんを明るくする為に、フィルインライトを当てます。周りの暗さを生かす為に、コスプレイヤーさんとカメラマンの間にデュフューザーを置いて、光をコスプレイヤーさんへ、かすめるように当てて、背景に光が当たらないようにします。
背景が暗いので、バーの中にストロボを当てます。陰影をつける為に、デュフューザーを使わずに光を当てます。
ライトの角度を微調整して、陰影を出しました。
カメラ設定
焦点距離:40mm
ISO:320
絞り:f2.8
シャッタースピード:1/160
メインライト:光量1/4
フィルインライト:光量1/8
背景用ライト:光量1/8
使用機材
カメラ本体:SONY α7R3
レンズ:ZEISS Batis 2/40
ストロボ:GODOX TT600
デュフューザー:Profoto ソフトボックスRFi(60×90cm)、Profoto RFi フラットフロントディフューザー、Neewer 100cm 八角形ソフトボックス
ライトスタンド:トキスター TS-112-ST カーボンモビスタンド
ダボ:エツミ E-6745 スピゴットアダプター
ブラケットマウント:Godox S型 Bowensマウント
ポイント
コスプレイヤーさんと背景を別々にライティングをして、フィルインライトとメインライトの光が、背景に当たらないように注意しよう。
チャペル
ステンドグラスを活かした撮影
結婚式場のメインスポットともいえるチャペル。晴れている場合は、チャペルのステンドグラスから太陽の逆光が入ってくるので、色鮮やかに輝きます。室内は、白をベースにした内装で、オレンジ色の間接照明があります。スタンドグラスをメインに据えたライティングを学ぼう。
ステンドグラスに光が当たらないように、ストロボを配置します。コスプレイヤーさんと背景を分離して、立体感を出すために、バックライトを設置します。コスプレイヤーさんの正面を明るくする為に、バックライトの対角線上に、ストロボを設置します。この時、ステンドグラスに光が届かないように、ストロボの距離で光量を調整します。
チャペルは暗いので、強い光量が出るストロボを使うと明るすぎて使いづらくなります。光量の弱いクリップオンストロボが使いやすくてオススメです。
カメラ設定
焦点距離:40mm
ISO:640
絞り:f2.8
シャッタースピード:1/160
ライト:光量1/32
バックライト:光量1/8
使用機材
カメラ本体:SONY α7R3
レンズ:ZEISS Batis 2/40
ストロボ:GODOX TT600
デュフューザー:Profoto ソフトボックスRFi(60×90cm)、Profoto RFi フラットフロントディフューザー、Neewer 100cm 八角形ソフトボックス
座席で前ボケを使った撮影
立体感を出すために、コスプレイヤーさんにバックライトを当てます。式場の座席は狭くて、コスプレイヤーさんの近くにストロボを置けないので、離れた壁の通路側に置きます。コスプレイヤーさんの正面の光は、座席の照明で照らします。
カメラ設定
焦点距離:85mm
ISO:800
絞り:f1.4
シャッタースピード:1/160
バックライト:光量1/128
使用機材
カメラ本体:SONY α7R3
レンズ:FE 85mm F1.4 GM
ストロボ:GODOX TT600
デュフューザー:Profoto ソフトボックスRFi(60×90cm)、Profoto RFi フラットフロントディフューザー
■テーマ:広がりを活かした撮影
チャペルの通路にコスプレイヤーさんが座って、座席のところにストロボを置きます。教会の背景に、ストロボが当たらず、陰影がついたかっこよい写りになります。
縦向きに撮ると、天井が入って広がりがあるダイナミックに写ります。この時、焦点距離24mm等の広角で撮ると、違和感のある歪みになるので、標準レンズがオススメです。
カメラ設定
焦点距離:40mm
ISO:800
絞り:f2
シャッタースピード:1/160
バックライト:光量1/128
使用機材
カメラ本体:SONY α7R3
レンズ:ZEISS Batis 2/40
使用機材
ストロボ:GODOX TT600
デュフューザー:Profoto ソフトボックスRFi(60×90cm)、Profoto RFi フラットフロントディフューザー
ポイント
・ステンドグラスにストロボの光を当てないように意識する
・ストロボだけでなく、その場所にある照明も利用してみる
・広がりを意識する場合は歪みの少ない標準レンズがオススメ
チャペル外観
夜のチャペルと大階段で撮影
外は光がなく、真っ暗な為、ストロボでコスプレイヤーさんを明るくします。コスプレイヤーさんの周り全体を明るくするために、遠くにストロボを置いて、広く明るく当てます。メインライトは、コスプレイヤーさんの右型から近い距離で当てます。階段でライトスタンドが置きにくいので、踊り場の近くまで、コスプレイヤーさんに降りて頂きます。
背景とコスプレイヤーさんを分離して、立体感を出すために、バックライトを設置します。室内ではバックライトは1つでしたが、真っ暗で光が無いの為、バックライト二つを設置しました。バックライトは、写真に写らないように、教会の橋に設置します。
メインライト、フィルインライト、バックライトを2つ設置しているので、後ろ向きでも綺麗に撮れるようになりました。メインライトのおかげで、衣装の金色のテカリが出ています。
カメラ設定
焦点距離:40mm
ISO:1250
絞り:f2
シャッタースピード:1/160
使用機材
カメラ本体:SONY α7R3
レンズ:ZEISS Batis 2/40
ストロボ:GODOX TT600
メインライト:Profoto ソフトボックスRFi(60×90cm)、Profoto RFi フラットフロントディフューザー、
フィルインライト:Neewer 100cm 八角形ソフトボックス
バックライト:Profoto ソフトボックスRFi(60×90cm)
ライトスタンド:トキスター TS-112-ST カーボンモビスタンド
ダボ:エツミ E-6745 スピゴットアダプター
ブラケットマウント:Godox S型 Bowensマウント
ポイント
周り全体を明るくするため、モデルとストロボの距離は離そう
結婚式場の庭園のイルミネーション
イルミネーションでボケを活かそう
40mの標準レンズで撮ると、あまりイルミネーションがボケません。
85mmレンズにすると、イルミネーションが綺麗にボケます。イルミネーション撮影の時は、望遠レンズがオススメです。ストロボは、イルミネーションに当てると消えてしまうので、ストロボの延長線上にイルミネーションが無いように置きます。夜は、光量が強いと不自然になりますので、最小の光量で当てるのがオススメです。さらに、光を柔らかくする為に、デュフューザーを入れて、ストロボの光の粒子が、均一になるように拡散します。今回は、Profoto RFi フラットフロントディフューザーを入れて、均一に拡散させます。
カメラ設定
焦点距離:85mm
ISO:500
絞り:f1.4
シャッタースピード:1/160
ポイント
イルミネーションを効果的にぼかす場合は望遠レンズを使ってみよう。
使用機材
カメラ本体:SONY α7R3
レンズ:FE 85mm F1.4 GM
ストロボ:GODOX TT600
メインライト:Profoto ソフトボックスRFi(60×90cm)、Profoto RFi フラットフロントディフューザー、
ライトスタンド:トキスター TS-112-ST カーボンモビスタンド
ダボ:エツミ E-6745 スピゴットアダプター
ブラケットマウント:Godox S型 Bowensマウント
バルコニーホール
巨大な光の壁を使ったミックス光の撮影
バンケット会場のバルコニーに、縦1.7m、横2.5程の紫色に光る壁がありました。光量が少ないので、ストロボを当てて、紫色を活かしたミックス光にして明るくします。強い光を当てると、紫色の光が消えてしまうので、少ない光量を当てます。
メインライト:光量1/128
カメラ設定
焦点距離:40mm
ISO:1250
絞り:f2
シャッタースピード:1/160
使用機材
カメラ本体:SONY α7R3
レンズ:ZEISS Batis 2/40
ストロボ:GODOX TT600
メインライト:Profoto ソフトボックスRFi(60×90cm)、Profoto RFi フラットフロントディフューザー、
ライトスタンド:トキスター TS-112-ST カーボンモビスタンド
ダボ:エツミ E-6745 スピゴットアダプター
ブラケットマウント:Godox S型 Bowensマウント
ポイント
ミックス光は難しそうだが組んでみると意外とできる!
まとめ
■結婚式場…ストロボの基礎を学ぶ。メインとサブ2灯あるとより自然
■バンケット場…バーカウンターではカウンターの中にもストロボ設置すると◎
■チャペル…ステンドグラスを活かすライティング、着席時の前ボケのコツ、広がりの写真を意識する
■チャペル外観…大きく人がる画角を意識する。
■結婚式場の庭園のイルミネーション…イルミネーションをぼかすには望遠レンズが最適。
■バルコニーホール…ミックス光は一見難しそうだけど、やってみると意外と簡単
撮影協力
ベルクラシック大阪
https://www.bellclassic.co.jp/kinki/osaka/
ベルクラシック大阪コスフェス運営委員会
https://twitter.com/bcosaka_cosfes