コスプレ写真は撮って終わりじゃない！ Vtuberの猫宮ひなたをふわふわ浮かせてみよう

スタジオで撮ってきた写真に浮遊感をプラス。人物だけでなく、モノを色々散らせてスタジオ写真と合成が織りなす不思議な写真づくりに挑戦してみよう!

Photographer井田達也
コスプレイモード誌のグラビアも手掛ける。趣味が高じて企業案件も請け負うコスプレフォトグラファー。
@idobataer

浮遊感のある写真を作るには？①
撮影現場と加工ソフト

昭和団地スペースのキッチンにストロボ2台、人物に当てる1台、縁側に2台置いて、全体的に明るくフラットなライティングを目指した。ストロボの光は天井に向けて、光が回るように。高いアングルを維持するため、三脚にカメラを固定して、高い位置にカメラを設定。リモコンでシャッターを切りつつ、モデルの自然な表情を引き出した。

浮遊感のある写真の作り方
カメラの設定

●シャッタースピード:1/250
●絞り値:F10
●ISO感度:800
●焦点距離:28mm

浮遊感のある写真の作り方
使用したソフト

●現像LightroomClassic
●CC(V8.2.1)
●レタッチPhotoshopCC(v20.0.4)
※あまり陰影を付けずにフラットな光を意識した現像。基本的には撮影時の場の雰囲気を重視した。

浮遊感のある写真を作るには？②
モデルの位置とポーズを確定

浮遊感のある写真の作り方
髪の毛をふわっとさせる

浮遊感を出したいので髪をなびかせ、姿勢を安定させるために足と背中をアシスタントが固定。コスプレイヤーには表情とポーズに集中してもらう。ポージングはなるべくゆるい感じのリラックスした雰囲気を出したいので、頭の後ろに手を組んでもらった。

合成用に片方の髪の差分も撮影する。

「編集>変形>ワープ」で髪の形を修正する。

浮遊感のある写真の作り方
こたつを浮かせてみる

こたつ布団とテーブルも動かすことで背景にも動きを持たせる。カメラを固定させているからこそできるのだ。

モデル、アシスタントがいない状態の背景のみを撮る。

人物を切り抜いて、背景素材に移動させるなどしてモデルを支えていた脚立を消す。

こたつの足に土台をかませてて傾ける。

こたつ布団の両サイドを靡かせ、浮遊感を作り出す。写る角度を考えてなるべく広がりが見えるようにする。

浮遊感のある写真の作り方
モノを散りばめていく

浮遊させたい小物ををそれぞれ角度やピントなどを考慮して位置を決め、個別に撮影する。
銃

和小物

電話機

座布団

コントローラー

みかん

座布団はアシスタントに投げてもらったものを撮影。写真に奥行き感を出すため、コントローラーや和風の小物はカメラに近づけて、ピントをぼかして撮影した。

浮遊感のある写真の作り方
お茶をこぼしてみる

水の素材を新規レイヤーで背景画像の上に置く。新規レイヤーの水素材を変形させて、黒い背景部分を消しゴムツールで消し、ブレンドモード(通常)>スクリーンで合成。

浮遊感のある写真の作り方
ダンボール箱に影をつける

フリー素材でのダンボールをモデルが座っている脚立の上に重ねて配置。平面にならないようドロップシャドウで影を付ける。

脚立があったところにフリー素材のダンボール画像を配置。段ボールの素材を切り抜いて、フォントで文字を書き、いらすとやのみかんイラストを張り付ける。「こたつを浮かせる」ときに配置したモデル画像のレイヤーの下に段ボールの画像レイヤー配置する。人物の影をダンボールにつけるため、レイヤー効果>ドロップシャドウを使用。

人物と同じように、散らばっているみかんの影をダンボールにつけることでダンボールに現実感を持たせる。

完成